付加価値を高くして、販路が広がった

オリーブ車海老 仁尾産商

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2019.11.07

仁尾産商が養殖する車海老(えび)は品質のよさで知られ、市場では比較的高値で取引されている。品質を保つために、養殖場の広さに対する車海老の数を一般的な養殖方法の半分ほどに減らして、車海老にストレスがかからない環境で育てているという。「密度を低くすることで元気な海老を育てることができますが、大量生産できないので売り上げの効率からいうと課題もありました」と代表取締役・塩田健一さんはいう。

そこで、商品そのものの付加価値をさらに高めるため、2011年ごろから「オリーブ車海老」の開発に取りかかった。オリーブの葉の粉末ではうまくいかず、試行錯誤。2年かけて、オリーブオイルをしぼった後の実を使う方法にたどり着いた。専門機関の検査では、うま味成分のグルタミン酸が通常の飼育法の2.6倍。そのほかのうま味成分、アラニン酸やコハク酸の数値も高く、おいしさが客観的に証明された。14年には、「オリーブ車海老」を商標登録した。「それまで、お願いしてもなかなか難しかった高級ホテルなどからも、声がかかるようになった。新たに販路が広がったのは嬉しい」

ブランドの品質を守るため、飼育管理をさらに徹底。「活きたままお届け」にしている百貨店のギフトは、届け先一軒ずつ在宅確認をした上で配達しているほか、配送中の品質管理が難しい夏はオリーブ車海老のギフト用はなく、冬だけ出荷している。「飼育からお届けまで手間をかけて品質を保つことが、信頼につながると思っています」

昨秋には、会社の敷地内にカフェ「にがり衞門」をオープンさせ、そこでオリーブ車海老を使ったメニューを提供する取り組みも。「今後も、生産量を増やすことは難しいですが、地元の人にもオリーブ車海老のおいしさを知ってほしい」という。

TEL.0875・82・2812

仁尾産商

住所
香川県三豊市仁尾町仁尾辛1番地
代表電話番号
0875-82-2812
設立
2010年
社員数
6人
事業内容
車海老養殖事業

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