本格的な就活シーズンが始まっている。人手不足といわれている今、県内でも多くの企業が採用について悩んでいる。いい人材を確保するには、そもそもいい人材とは―。
そこで、就活を前にした大学生へのアンケートをもとに、「いい採用」のヒントを探ってみた。
そこで、就活を前にした大学生へのアンケートをもとに、「いい採用」のヒントを探ってみた。
企業は何に悩んでいるのか
香川大学では2018年、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」として地元企業と学生にそれぞれアンケート(※)を実施した。
それによると、61%の企業が「人手不足」だと感じており、過去3年間の採用では「学生のエントリー数が十分確保できているか」の項目で満足度が低くなっている。「特に中小企業でその傾向が強い」と地域連携・生涯学習センターの三木誠特命教授。「学生と会って話ができれば会社の魅力をきちんと伝えられるが、まずその機会がない」と悩む採用担当者が多いという。
また、「内定辞退者が想定以上の人数だった」という回答も多かった。「入社までこぎつけても、すぐ退職してしまう人もいる。早期離職率を減らすことも同時に取り組む必要がある」と三木さんはいう。
それによると、61%の企業が「人手不足」だと感じており、過去3年間の採用では「学生のエントリー数が十分確保できているか」の項目で満足度が低くなっている。「特に中小企業でその傾向が強い」と地域連携・生涯学習センターの三木誠特命教授。「学生と会って話ができれば会社の魅力をきちんと伝えられるが、まずその機会がない」と悩む採用担当者が多いという。
また、「内定辞退者が想定以上の人数だった」という回答も多かった。「入社までこぎつけても、すぐ退職してしまう人もいる。早期離職率を減らすことも同時に取り組む必要がある」と三木さんはいう。
ミスマッチはなぜ起こるのか
募集しても学生エントリーが少ない、採用しても定着しない―その原因の一つは「情報のミスマッチ」だという。
いい人材を取りこぼしなく集めるため、企業はできるだけ多くのエントリー(=採用候補者)を集めようとする傾向が強い。すると、ネガティブな情報はできるだけ避け、ポジティブな情報を中心に発信することになる。学生は不十分な情報をもとにイメージだけで有名企業を選んだり勝手に期待したりして、入社後に現実とのギャップに気づくことになる。
学生が就職先の企業を選ぶ時に考慮することは何か、それに対して企業はどういうことを実際にアピールしているのかを聞いたアンケート結果がQ1のグラフ。学生が気にしている「給料・福利厚生」「休日」「超過勤務」について企業は積極的にアピールしていない。一方、企業の回答で2位の「香川に本社がある」ことを学生はそれほど重視していないなど、両者の意識にずれがあることが伺える。
いい人材を取りこぼしなく集めるため、企業はできるだけ多くのエントリー(=採用候補者)を集めようとする傾向が強い。すると、ネガティブな情報はできるだけ避け、ポジティブな情報を中心に発信することになる。学生は不十分な情報をもとにイメージだけで有名企業を選んだり勝手に期待したりして、入社後に現実とのギャップに気づくことになる。
学生が就職先の企業を選ぶ時に考慮することは何か、それに対して企業はどういうことを実際にアピールしているのかを聞いたアンケート結果がQ1のグラフ。学生が気にしている「給料・福利厚生」「休日」「超過勤務」について企業は積極的にアピールしていない。一方、企業の回答で2位の「香川に本社がある」ことを学生はそれほど重視していないなど、両者の意識にずれがあることが伺える。
また、「マイナス情報をどれだけ開示できるか」という設問で、学生と企業のかい離が大きかったのは、どれぐらいのノルマが求められるか、一定年月経過後の年収。知りたいという学生の要望に対して、開示している企業の割合は低かった。
「就活生はSNSの口コミサイトなどで企業のマイナス情報をある程度把握しているので、いいイメージだけを発信していると印象が悪くなることも」と三木さん。入社後のお互いのギャップを小さくするためにも、インターンシップで会社の雰囲気を見せたり、収入や残業など実態に即した情報を開示したりしながら、事業の独自性や働きやすさを発信していく必要があるといえる。
「就活生はSNSの口コミサイトなどで企業のマイナス情報をある程度把握しているので、いいイメージだけを発信していると印象が悪くなることも」と三木さん。入社後のお互いのギャップを小さくするためにも、インターンシップで会社の雰囲気を見せたり、収入や残業など実態に即した情報を開示したりしながら、事業の独自性や働きやすさを発信していく必要があるといえる。
採用担当者だけではなく 会社全体で取り組む
アンケートで、採用がうまくいった=早期離職率が低い企業の採用活動は「将来の配置・役職構成のビジョンがある」「面接等の評価項目を社内で意識化、明文化している」という特徴がある。一部の社員だけで進めず「こういう人材を採用したい」という意識が社内で統一され、一丸となって取り組んでいるかどうか。それだけで、例えばインターンシップも社長が話をして会社見学して終わりではなく、若手とワークショップをするなどの工夫が生まれる。企業の熱意が伝わると、学生はその企業に対していいイメージをもつ。それがSNSなどで発信されれば企業のイメージアップにつながる可能性もある。
「いい採用ができるためには、会社の将来のビジョンをつくって社内で共有し、働きやすい環境を整え、人が集まる魅力的な会社にすること。それは、社員の満足度を高めることと同じだと思います」と三木さん。多くの学生に会社のことを知ってもらえる採用活動は、ブランディングの一つだということを意識しておきたい。
「いい採用ができるためには、会社の将来のビジョンをつくって社内で共有し、働きやすい環境を整え、人が集まる魅力的な会社にすること。それは、社員の満足度を高めることと同じだと思います」と三木さん。多くの学生に会社のことを知ってもらえる採用活動は、ブランディングの一つだということを意識しておきたい。
学生の生の声 情報源は「人」
●経済学部3年・女性 旅行業界、金融希望
企業を選ぶ時は、やっぱり給料が気になる。月20万円ぐらいが目安。今は希望の業種の情報を集めながら先輩に話を聞いたりしている。インターンシップにも参加したいけれど、
その日だけ取り繕ったことをするのではなく会社の日常が見たい。
●経済学部3年・女性 金融、一般企業事務職希望
バイト先で悩んだこともあるので職場の人間関係が一番気になるが、就職サイトでは分からないから、インターンシップに行くしかない。先輩訪問だと、前もって「ノルマがある」とか「こういうところが大変」という話も聞ける。知った上で選びたい。
企業を選ぶ時は、やっぱり給料が気になる。月20万円ぐらいが目安。今は希望の業種の情報を集めながら先輩に話を聞いたりしている。インターンシップにも参加したいけれど、
その日だけ取り繕ったことをするのではなく会社の日常が見たい。
●経済学部3年・女性 金融、一般企業事務職希望
バイト先で悩んだこともあるので職場の人間関係が一番気になるが、就職サイトでは分からないから、インターンシップに行くしかない。先輩訪問だと、前もって「ノルマがある」とか「こういうところが大変」という話も聞ける。知った上で選びたい。
国立大学法人 香川大学
- 住所
- 香川県高松市幸町1番1号(幸町キャンパス)
- 代表電話番号
- 087-832-1000
- 設立
- 1949年5月
- 学部
- 教育学部、法学部、経済学部、医学部、創造工学部、農学部
- 大学院
- 創発科学研究科、工学研究科、医学系研究科、農学研究科、
教育学研究科、地域マネジメント研究科、連合農学研究科 - 地図
- URL
- https://www.kagawa-u.ac.jp/
- 確認日
- 2024.03.07
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