島の真ん中には子どもたちがいる!男木島(その4)

工代祐司

column

2025.10.02

みらプロ意見交換会(保護者、地域の人、先生等) 写真提供 西川真理子さん

みらプロ意見交換会(保護者、地域の人、先生等)
写真提供 西川真理子さん

子どもたちが港付近を元気よく駆け回っています。フェリーに向かって大きく手を振っています。運動会やお祭りなど島の年中行事では大切な役目を務めています。島の情景の中にはいつも子どもたちがいるのです。

先日、2022年に御一家で島に移住され、現在、男木小中学校のPTA会長をつとめる、なかがわまりめさんから島での子育てについてお話を伺いました。

男木小中学校の再開は2014年。2013年に帰省した福井大和さんが、子どものいない島の現状にショックを受け、家族一丸となって学校の再開に奮闘された話は有名です。

子どもたちが絶えない島をつくろう。福井大和さん、順子さん御夫妻は、NPO法人男木島生活研究所を立ち上げ、子育て世代の移住支援に尽力するとともに、男木島図書館の開設など子育て環境の整備にも力を注がれました。

こうした中、西川御夫妻ら2016年移住組の子育て世代が中心となり、「島だからこそできる教育を考えよう」と、2019年に「男木島、未来の教育プロジェクト(みらプロ)」が始まりました。

その目的には、島の学校として未来の教育の方向性の検討と実行を進めていく、新しい学習の形を学び、取り入れ、事例として公開していく、このプロジェクトを通して、子育て世代の移住者を増やしていくことの3点が掲げられています。「最初は学校の先生方も戸惑ったかもしれませんね」とまりめさん。

今年の1月11日、「男木島、移住相談会in東京」が有楽町のふるさと回帰支援センターで開催されました。なんと、この企画は男木小中学校の子どもたちの発案で、相談会には2人の小中学生が参加し、島での暮らしの様子を見事にプレゼンしたそうです。

ここ数年、学校とみらプロが連携して「やってみたいことを実現する活動」を総合学習の時間に取り組んでいます。その中で「友達を増やしたい」「じゃあ島に住む人を探そう」「それなら東京で男木島のPRをしよう」となったそうです。

男木島をこよなく愛し、それを行動に移せる子どもたちが確実に育っています。学校、保護者、地域が協力・連携した男木島独自の教育方法の模索が徐々に形となって表れてきたように思えます。
(文 工代祐司)

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