「当たり前」を守り続ける

日本銀行 高松支店長 高田 英樹

column

2022.04.07

日本銀行高松支店は、今年の2月2日で開設80周年を迎えました。

初代店舗は古新町、二代目店舗は紺屋町の高松市美術館がある場所にあり、現在の寿町の店舗は三代目になります。場所は変われど、80年間、中央銀行としての業務、「中央銀行サービス」を地元で変わらず提供し続けてきました。

例えば、安心してお金を使える環境を守るために、日本銀行に戻ってきたお札は1枚1枚、偽札は無いか、損傷していないか等を確認します。燃えた残りなど、ひどく傷んだお札は機械では扱えないため、人の目と手で確認しますが、物量が多く、汚れ等がある場合もあり、苦労を伴います。また、きれいなお札も量が増えれば重たいので、運搬も含めた取り扱いは結構大変です。ですが、安心してお金を使える環境を守るためには必要不可欠な仕事であり、真摯に取り組んでいます。

また、買物代金等を別の銀行の口座に振り込んで支払う場合、銀行同士のお金の受け渡しは、それぞれの銀行が日本銀行内に持つ口座同士で行います。日々の生活の中での色々なお金のやり取りは、最後は日本銀行に行き着くので、日本銀行で大きな業務の間違いや停止があると日常生活に支障が出ます。日本銀行は、安定的に業務を行うことで皆様の生活の基盤を支えています。

一方で、多くの方は、日常生活の中で日本銀行の存在をあまり意識していないと思います。それは、日本銀行が安定的に中央銀行サービスを提供するのが、当たり前の状態になっているということでしょう。

日本銀行高松支店が開設されてから80年の間には様々な出来事がありました。第二次大戦の際は空襲で支店建物が焼失しましたが、金庫は守り抜き、速やかに営業を再開しました。最近では、コロナ禍の下でも業務をしっかりと継続しています。

コロナ禍を経験し、それまで当たり前に思っていたものの大切さ、難しさを感じた方が多いと思います。様々な出来事があった中でも、「当たり前」を香川の地で80年間守ってこられたのは、歴代職員の地道な努力と、関係者をはじめとする地元の皆様のご厚情の賜物だと思っています。

今後も「当たり前」を守り、地元に貢献していけるよう、努力を続けていきます。

高田 英樹|たかだ ひでき

略歴
1972年 愛知県生まれ
1995年 東京大学経済学部 卒業
     日本銀行 入行
2007年 金融市場局企画役
2009年 金融庁へ出向
2011年 政策委員会室企画役
2013年 金融市場局企画役
2016年 政策委員会室経理課長
2018年 金融市場局総務課長
2019年 総務人事局人事課長
2020年 総務人事局総務課長
2021年 高松支店長
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高田 英樹|たかだ ひでき

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