県経済の要たる中小企業を支えたい

香川県信用保証協会 会長 西原 義一さん

Interview

2024.04.04

神戸で大学時代を過ごし、そのまま金融業界に進む気持ちもあったが、「実家は農家。土地の管理もあるし、いつかは地元で暮らすことになるだろう」とふるさとに戻って香川県に採用される。最初の配属は県の水道局で、香川用水を導水し市町に供給する事業を担当した。「県に水道局があることも知らないところからのスタートでした。経理業務が中心の4年間ののち、5年目に財政課(現在の予算課)へ異動。水道局の経験が、県全体の財務をみる仕事につながったのかもしれません。どこにいようと自分の力をしっかり尽くせば、道は開けるものだと感じました」

豊島問題、学校統廃合… 県政と深くかかわるキャリア

その後は財政・企画分野で県政全体を俯瞰してきた西原さんだが、長い県職員キャリアの中でも「意義深い経験」と振り返るのは、廃棄物対策課長時代。当時の県は豊島の産業廃棄物不法投棄事件の渦中にあり、環境問題に世間の注目が集まった時期だった。西原さんは2000年の公害調停成立の翌年に課長に就任し、直島や豊島の処理施設、廃棄物輸送船の建造など大規模プロジェクトの予算執行に大きくかかわる3年間を過ごした。

「住民の方と何度も対話を重ねる中で、どう向き合うべきなのか私自身も深く考えさせられました。課長としての任期は3年、処理施設が稼働し始めた頃までですが、その後も政策部長、副知事として豊島問題には長くかかわることになり、私にとって印象深いプロジェクトです」

2014年、県教育委員会教育長に。現在の教育長は知事の任命によるが、西原さんは教育委員として任命され教育委員会事務局の事務を統括する教育長に就任した最後の世代だ。少子化で学校の統廃合が進む中、小豆島中央高校の建設や観音寺総合高校の名称決定など、県立高校の再編に立ち会う。「小豆島中央高校のプロジェクトは知事部局時代から聞き及んでいて、実際に動き出した建設現場を完成するまで見守ることができました。観音寺総合高校は、統合する各校の歴史や伝統、OBの声までとことん検討して…。大変でしたが、教育の現場の声に寄り添う面白い仕事でした」

仕事は自分で面白くする!

22年にエレクトーンを習い始め、 仲間(ジュピターズ)との定期交流会を楽しんでいる

22年にエレクトーンを習い始め、
仲間(ジュピターズ)との定期交流会を楽しんでいる

2017年から23年まで香川県副知事を務めた後、23年4月から香川県信用保証協会会長となった。「香川の県経済は中小企業が基盤ですが、コロナ禍の混乱が落ち着いても円安や世界情勢の不安が続き、中小企業には依然として厳しい時代です。『保証』という支援でそれをどこまで支えられるか、非常に重要な仕事に携わっていると思う。直接できることには限りがありますから、県庁時代に育んだキャリアやネットワークを生かし、県や金融機関をはじめ他機関と協力・連携しながら、中小企業に寄り添うサポートを考えたい」と意気込み、特に経営・創業支援には重点を置く方針だ。

職員には、「どんな仕事も楽ではありません」と説く。「でも、面白くすることはできる。私自身も失敗を繰り返しながら新しいことを学んできました。自分の仕事に関心を持ち、自分なりに面白くしていってほしいですね」と語った。

戸塚 愛野

西原 義一 | にしはら よしかず

略歴
1956年 高松市生まれ
1978年 神戸大学経営学部 卒
1978年 香川県採用
2001年 同 生活環境部環境局 廃棄物対策課長
2004年 同 健康福祉部健康福祉総務課長
2005年 同 総務部次長 兼 総務学事課長
2007年 同 東京事務所長
2009年 同 農政水産部長
2011年 同 政策部長
2014年 香川県教育委員会教育長
2017年 香川県副知事
2023年 香川県信用保証協会会長

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