我が社は「平成」全国で1,270社

東京商工リサーチ

Research

2018.04.05

1989年1月8日、昭和天皇の崩御で元号が“平成”に変わった。それから30年が経過する2019年4月30日、天皇が生前譲位し、“平成”の幕が閉じる。

東京商工リサーチでは保有する企業データベースを基に、社名に「平成」を冠した企業(以下、「平成」企業)を調査。これによると、「平成」企業は全国で1,270社で、登録企業数の0.04%にとどまった。また、半数の653社(構成比51.4%)は平成元年から同9年(1997年)までの設立で、“平成”の幕開け直後に集中していたことがわかった。

※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(317万社)から社名に元号(平成、昭和、大正、明治)を含む企業を抽出し、このうち社名に「平成」を冠した企業を分析。社名に含まれる元号は、漢字の「平成」の他、かな・カナ・英文表記を含む。倒産企業や休廃業・解散企業は含まない。

「平成」は「昭和」の半分

明治以降の元号を社名に含む企業数は5,109社で、このうち「平成」企業は1,270社(構成比24.8%)だった。64年まで続いた「昭和」(2,640社)のほぼ半数(48.1%)で、平成と昭和は年数の長さに比例した構成比となっている。

サービス業他と建設業が突出

「平成」企業を産業別でみると、最多はサービス業他の372社(構成比29.2%)。次いで、建設業が334社(同26.3%)で、上位2産業が全体の55.5%と突出した。以下、不動産業が192社(同15.1%)、製造業が99社(同7.8%)、運輸業が75社(同5.9%)と続く。
東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ調べ

「平成」企業率は西高東低

「平成」企業の地区別では、最多は関東の433社(構成比34.0%)で3割を占めた。次いで、近畿の212社(同16.6%)、中部の166社(同13.0%)が続き、企業数が多い東京・大阪・名古屋の三大都市圏が上位を占めた。

ただ、「平成」企業が地区内の企業に占める比率(「平成」企業率)では、トップは四国の0.07%。以下、0.05%台が北陸、九州、中国と続き、企業数でトップの関東も比率では0.03%と低い。「平成」企業率は、西高東低の傾向がみられた。
東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ調べ

「平成」企業は新興企業のイメージが強いが、来年以降は順に設立30年を迎えることになる。「平成」企業は新興企業から、実績と信用を備えた老舗企業へと成長していく。

“平成”は、経済の面からみると怒涛の30年だった。稀有の不況と言われた「バブル崩壊」にはじまり、「金融ビッグバン」、「リーマン・ショック」がほぼ10年ごとに発生、東日本大震災にも見舞われた。「平成」の名を冠した企業は全国でわずか0.04%にすぎないが、怒涛の時代を名実ともに体現した生き証人でもある。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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