
設置の様子。漁業活動に影響がないよう水深2000~
4000mの海底を1mほど掘削してセンサーを埋設。
センサーはチタン容器に入れて保護
「もともと陸上での観測網は整備されていましたが、南海トラフのように海底にあるプレートの変動を正確に把握するには、海からの観測が必要なんです」。現在は「DONET1」を熊野灘に、「DONET2」を紀伊水道から四国沖にかけて設置。51カ所の観測点で“海底の聴診器”が観測している。データは尾鷲市と室戸、海陽町にある陸上の拠点から気象庁などに送られている。
観測点に設置されているのは、強い揺れと人体には感じないゆっくりした揺れを検知する2種の地震計、水晶水圧計など。10年以上観測し続けることで、巨大地震の前兆として海底で何が起こっているのかが分かる。何より、プレート近くにあるため陸上で観測するより早く地震・津波の発生を検知。津波であれば陸上の観測点より約10分早く検知できる。「1分1秒が命の分かれ目になりますから、この時間は大きい」。一方で「いち早く情報を出してもそれを受けた市民の皆さんが、逃げるための行動をすぐに起こしてくれるかどうかが問題」とも指摘する。そのため、センターでは市民の防災意識を高めるようセミナーや講演会を開催している。

観測されたデータをモニタリングする様子
今後は、検知された情報を県や市町、住民へとスムーズに届けるための体制づくりを進め、四国全体での情報共有を目指す。
(※注)2016年から防災科学技術研究所に運用を移管
【問い合わせ】TEL.087・832・1656
【HP】https://www.kagawa-u.ac.jp/iecms/renkei/
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