興味がない人との距離を少しでも縮めたい

香川県防災士会事務局長 高橋 真里さん

Interview

2020.09.03

阪神・淡路大震災をきっかけに、地域の防災力を高める役割の「防災士」を養成するため設立されたNPO法人「日本防災士会」。その支部として2007年に発足した香川県防災士会で高橋さんは事務局長を務める。会員間の調整、講座や講演会開催時の事務などをしながら、会長や会の運営を支えている。

きっかけは、子どものために応急手当の講座を受けたこと。その後、香川で初めて防災士養成講座が開かれることを知り受講。今の活動につながった。

香川県防災士会では、平常時の普及啓発活動をはじめ、家具転倒防止対策サポート事業、地域や学校への防災活動アドバイザー派遣などの事業を行っている。多くの人に防災に興味をもってもらいたいと思う反面、「興味のない人からみたら“防災やってる人”の熱意に、ついていけないことがあるかも」と感じることもある。

防災は大事だといくら正論を言われても、自分が興味のないことや生活に結びつかないと響かない。「私も入り口は子どもを守りたい、健康に過ごしたいと単純に思っただけ」。手作りが好きな人なら災害時にも使えるマスクをつくってもらう。子どもたちには、防災キャンプで遊びを通して関心をもってもらう。一人ひとりの興味や得意なことをどう防災と結び付けられるか。「温度差をなくし、少しずつ距離を縮めることが防災士会の役割の一つだと思っています」

被災地での経験

被災地での活動

被災地での活動

東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などの際は、災害ボランティアとして活動した。現地に設けられたセンターで状況の把握、全国から集まるボランティアの調整などを行った。「崩れた山、下水のにおい、砂ぼこり…テレビで切り取られた映像のまわりにも、現実はある」

被災者との向き合い方にも悩んだ。泥をかき出したが住むのは危険かもしれないと思う家屋でも「みんなが手伝ってくれたから、もう一度ここで頑張りたい」という言葉を聞くと何も言えなかった。

「ニュースの中だけではない現実があることを、できれば現地に行って知ってほしいけれど、その地域の物産を買って応援するだけでもいいんです」

日常の先にある防災

香川県防災士会でも、コロナ禍の中、災害が起こったときの避難所の運営が新たな課題となっている。「ほかにも、地域それぞれに合った防災計画づくりにも力を入れていきたい」。防災は特別なことではなく、日常の延長にある。それを少しずつ伝えていきたいと考えている。

高橋 真里 | たかはし まり

1975年 さぬき市生まれ
1993年 津田高校 卒業
1997年 徳島文理大学音楽学部 卒業
2004年 台風16号高潮水害 高松水害ボランティアセンター運営
2006年 防災士養成講座受講
2011年 東日本大震災支援の日本赤十字社本社ボランティアセンター運営に関わる
2016年 香川大学学生を引率し、熊本地震ボランティア活動に参加
2017年 香川県多度津町水害 災害ボランティアセンター運営支援
2018年 西予市災害救援ボランティアセンター運営支援
    西予市・宇和島市支援活動
2019年 台風19号被災地支援(長野県長野市)

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