「防災“も”」のすすめ

防災士 高橋真里

column

2020.10.01

今は防災士として活動している私ですが、防災に関わるようになったのは、「子どもたちに何かあった時、一番近くにいる自分に何ができるのだろう?」と不安になったことがきっかけでした。それで救急法を受講し、赤十字ボランティア活動に参加するようになり、防災士養成講座を受講して現在にいたります。

防災に関心が向いて初めて、世の中にはさまざまな防災活動をされている人がたくさんいることに気付きました。逆にいうと、関心をもたなければどんなに情報があふれていても、素通りして認識することすらないということです。専門家がとても熱心に地域の安全を考え、仕組みを作り上げ知識を惜しみなく住民に伝えてくれても、地域の防災リーダーが組織を立ち上げ訓練をし、マニュアルを作成したとしても、アツい気持ちや行動は興味がない人にとってはちょっと近寄りがたいのでは(皆さんごめんなさい)とも感じました。

「どうすれば両者の距離を縮めることができるだろうか?」

香川大学から依頼いただき「学生防災士クラブ」や「機能別消防団」に所属する学生たちと防災訓練や被災地支援に出かけ、地域住民・被災地住民など年齢や立場が違う人たちと関わるうちに気付いたことがあります。「防災」だけを伝えるのではなく、相手が興味ある分野から関わらないと何も進まない!ということです。

東京大学の加藤孝明先生が「防災“も”まちづくり」と提唱されています。この“も”が重要だと思います。日常の中に「防災“も”」追加していけるような活動を続けていきたいと思います。

というわけで、日常でできる「防災“も”」を一つ。スーパーでの買い物の際、日持ちがする食べなれたものを一つ多めに買ってみませんか。今夜のおかずを買うついでに「備蓄食料“も”」が防災につながります。いつものバッグの中に「お水を“もう1本”」。気軽に始められることからチャレンジしてみてください。

髙橋 真里 | たかはし まり

略歴
1975年 さぬき市生まれ
1993年 津田高校 卒業
1997年 徳島文理大学音楽学部 卒業
2004年 台風16号高潮水害 高松水害ボランティアセンター運営
2006年 防災士養成講座受講
2011年 東日本大震災支援の日本赤十字社本社ボランティアセンター運営に関わる
2016年 香川大学学生を引率し、熊本地震ボランティア活動に参加
2017年 香川県多度津町水害 災害ボランティアセンター運営支援
2019年 西予市災害救護ボランティアセンター運営支援
    西予市・宇和島市支援活動(継続中)
香川大学 四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構地域強靭化研究センター・技術補佐員、香川県防災士会事務局長、赤十字防災ボランティアリーダー、防災ボランティア活動も継続的に行う。

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