
防災に関心が向いて初めて、世の中にはさまざまな防災活動をされている人がたくさんいることに気付きました。逆にいうと、関心をもたなければどんなに情報があふれていても、素通りして認識することすらないということです。専門家がとても熱心に地域の安全を考え、仕組みを作り上げ知識を惜しみなく住民に伝えてくれても、地域の防災リーダーが組織を立ち上げ訓練をし、マニュアルを作成したとしても、アツい気持ちや行動は興味がない人にとってはちょっと近寄りがたいのでは(皆さんごめんなさい)とも感じました。
「どうすれば両者の距離を縮めることができるだろうか?」
香川大学から依頼いただき「学生防災士クラブ」や「機能別消防団」に所属する学生たちと防災訓練や被災地支援に出かけ、地域住民・被災地住民など年齢や立場が違う人たちと関わるうちに気付いたことがあります。「防災」だけを伝えるのではなく、相手が興味ある分野から関わらないと何も進まない!ということです。
東京大学の加藤孝明先生が「防災“も”まちづくり」と提唱されています。この“も”が重要だと思います。日常の中に「防災“も”」追加していけるような活動を続けていきたいと思います。
というわけで、日常でできる「防災“も”」を一つ。スーパーでの買い物の際、日持ちがする食べなれたものを一つ多めに買ってみませんか。今夜のおかずを買うついでに「備蓄食料“も”」が防災につながります。いつものバッグの中に「お水を“もう1本”」。気軽に始められることからチャレンジしてみてください。
髙橋 真里 | たかはし まり
- 略歴
- 1975年 さぬき市生まれ
1993年 津田高校 卒業
1997年 徳島文理大学音楽学部 卒業
2004年 台風16号高潮水害 高松水害ボランティアセンター運営
2006年 防災士養成講座受講
2011年 東日本大震災支援の日本赤十字社本社ボランティアセンター運営に関わる
2016年 香川大学学生を引率し、熊本地震ボランティア活動に参加
2017年 香川県多度津町水害 災害ボランティアセンター運営支援
2019年 西予市災害救護ボランティアセンター運営支援
西予市・宇和島市支援活動(継続中)
香川大学 四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構地域強靭化研究センター・技術補佐員、香川県防災士会事務局長、赤十字防災ボランティアリーダー、防災ボランティア活動も継続的に行う。
おすすめ記事
-
2024.06.20
災害に強いインフラ整備は四国島を救う
-
2022.02.03
人を育ててくれる活動
防災士 高橋真里
-
2021.10.07
台風接近のときに、していること
防災士 高橋 真里
-
2021.07.01
私の「ソナエ」!
防災士 高橋真里
-
2021.04.15
やっぱり身近なところから
防災士 髙橋真里
-
2021.01.21
考えることが備えの第一歩
防災士 高橋真里
-
2018.09.20
小豆島はなぜ オリーブの島になったのか?
香川大学創造工学部長 教授 長谷川 修一
-
2016.10.20
街を創る
宅地建物取引士 リアル・ピット株式会社 代表取締役 金森 幹子
-
2024.10.15
防災功労者内閣総理大臣表彰
香川大・吉田副学長が受賞香川大学
-
2021.07.15
自分事として、防災への意識を高めたい
香川河川国道事務所 所長 森本英二さん
-
2020.09.03
興味がない人との距離を少しでも縮めたい
香川県防災士会事務局長 高橋 真里さん
関連タグ
最新紙面情報
Vol.412 2025年08月21日号
「ここに来て良かった」 生徒一人一人に寄り添って
学校法人村上学園 理事長 村上学園高等学校 校長 村上 太さん
モニタリングの知見を生かし 地域と「顔の見える対話」を
日本銀行 高松支店長 稲村 保成さん
諸機関と柔軟に連携し 四国の中小企業に寄り添う
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 四国本部長 田中 学さん
まち全体を一つの「宿」に見立て 古民家を核に日常風景の魅力を発信
NIO YOSUGA 代表取締役 竹内 哲也さん/菅組 社長 菅 徹夫さん
生徒の「やってみたい」が地域とつながる 進化するボランティア団体「TSUNAGU」
大手前丸亀中学・高等学校