発注した工事を監督するときは、技術者としての経験や知識が必要になる。「どんな業務も現場を知ることが大切です」。大変なこともあるが、作業の進め方、受注業者とのコミュニケーション、仕事の精度の見極め方、最新の技術……学んだことが次につながる。「やはり現場はやりがいがありますし、新しい道路が完成したときは感慨深いですね」
経験したからこそ
業務を通じ、防災への意識は常にもっていたつもりだったが、18年の西日本豪雨の際に愛媛の大洲にある自宅が浸水し、意識が大きく変わった。当時、自宅周辺の道路が浸水し勤務地の松山から帰れなかったが、家族の話では本当にあっという間に水位が上がったという。「帰ったら、大変な状態でした。以前の台風でも水は家の前まで。それ以上は水がこないだろうと考えていましたが、“今までの事例が最大の被害ではない、想定外がある”ことを思い知らされました」
だからこそ、備えの大切さを強く伝えていきたいという。「他人事と思わず自宅、勤務地といった行動範囲内のハザードマップを確認して、まずはすぐ避難できるように。命より大切なものはありません」。メディアとの連携を強化し、地域の防災意識を高めていく。組織としても自治体などあらゆる関係者と連携し、香川が四国の拠点となって災害対応ができるよう訓練や体制づくりを進めている。
風通しのいい職場に
「さまざまな施策を成功させるため、組織づくりも大切。積極的に声掛けして、風通しのいい職場にしていきたいですね」
石川恭子
森本 英二 | もりもと えいじ
- 略歴
- 1963年 愛媛県生まれ
1987年 愛媛大学土木工学科 卒業
建設省四国地建 入省
2013年 四国地方整備局道路計画課 課長補佐
2017年 松山河川国道事務所 副所長
2019年 阿南市特定事業部長(出向)
2021年 香川河川国道事務所長
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