若手中心に活気づく支店の存在感を示したい

三井住友海上火災保険 四国東支店長 藤本 篤嗣さん

Interview

2025.06.19

大学時代はラグビーに打ち込んで過ごし、就職を考える時期を迎えた時、道しるべとなったのは保険業界で働く兄の背中。「重要なインフラの一つである保険を通じて社会使命を果たしたい」と、同じ道を選んだ。三井海上火災保険(当時)に入社して最初の配属先は愛媛支店で、初めて関東を離れ四国の地を踏む。本店勤務中心にキャリアを磨いたのち、今春から四国東支店長として、約20年ぶりに四国に赴任した。

大企業向け提案の最前線で 大規模プロジェクトを牽引

ラグビー熱は今も健在、ポジションはフルバック。 社内ラグビー部OBチームで草ラグビーを楽しむ

ラグビー熱は今も健在、ポジションはフルバック。
社内ラグビー部OBチームで草ラグビーを楽しむ

「ニーズに応える難しさを通じて人情や信頼を学び、これこそ営業の醍醐味だと実感した」と振り返る愛媛支店の印象は、今も深い。基本的に代理店営業でありユーザーと直接つながることはない立場で、現場の営業は代理店からユーザーへどう働きかけてもらいたいか、代理店がこちらに何を求めているかを的確に見極める必要がある。コミュニケーションを重ねながら、人を動かす・動かされる呼吸を少しずつ掴んだ。「当時の上司やお客さまが、厳しくも頼もしく導いてくださったおかげ。どんなにチャンネルが変わっても、私の中に生き続けているスキルです」

その後は本店での法人営業が中心となり、金融・航空業界や横浜の地場大手企業をはじめとする大企業向けの提案にかかわる。高い社会効果が見込める大手商社の新規事業への投資に当たり、自社を説得して億単位のプロジェクトをダイナミックに実現させたことは、保険インフラを通じた社会貢献という初心に立ち返る経験でもあった。

刷新が進む組織で 若手の成長に期待

25年4月、20年ぶりの四国赴任であらためて驚いたのは、自動車が多いこと。「一人一台が当たり前、車ありきの生活スタイルが根付いている分、自動車保険の需要が多いですね。一方で、それ以外の種目について十分な提案ができているかについては、まだ課題も感じています」

地域向け一般営業は「地域活性化」が不可欠である点が、大企業向けの法人営業と異なるところだ。保険が保障する前後の流れにも視野を広げ、たとえ保険商品に直結しなくても地域とともに歩むことを重視する。サイバー保険などの新しい商品も次々と生まれる中で、地域の中小企業向けの提案や情報提供にキャリアを生かせると意気込んでいる。

一方、組織の長として取り組みたいのは若手の育成。社会貢献や自己成長意欲が高い若手の意識をキャリア形成に結びつけようと、積極的な交流で自身の経験を伝えている。今年度から人事改革に伴って地方勤務が公募制になることも受け、エンゲージメント高く活気ある支店として存在感を示したい考えだ。

「近年保険業界の不祥事が続いたことは、大いに反省すべきところ」と語り、信頼回復と再発防止に取り組む中で、組織全体の意識も大きく変わっているという。「本来あるべき、お客さま本位の方針を明確に打ち出したのはとても正しいこと。その風土を四国でも実現したい。社員が生き生きと動ける環境を整えれば、結果はついてくるはずと信じています」と語っている。

戸塚 愛野

藤本 篤嗣 | ふじもと あつし

略歴
1977年 千葉県生まれ
2000年 成蹊大学経済学部 卒
    三井海上火災保険 入社
    四国本部 愛媛支店 配属
2005年 三井住友海上火災保険 金融公務営業推進本部 金融法人第一部 営業第一課 主任
2011年 同 東京企業第二本部 航空運輸産業部 営業第一課 課長代理
2015年 同 課長
2018年 同 神奈川静岡本部 横浜支店 法人営業第二課長
2021年 同 法人営業課長
2022年 同 企画営業第二部 物産営業第二室長(上席)
2025年 同 四国東支店長

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