トータル18日間で四国遍路完遂!道中はFace to Faceの出会いを楽しむ

信金中央金庫四国支店 支店長 佐々木 英樹さん

Interview

2010.09.02

信金中央金庫四国支店長の佐々木英樹さんは、ホルン奏者として、中学、高校は吹奏楽部、大学時代と就職してすぐは市民バンドに所属して活躍してきた。経験者にはなじみの深い全日本吹奏楽コンクールには、高校生と市民バンド時代に、地区予選を突破し、東北地区の代表として全国大会にも出場している。「吹奏楽の甲子園と呼ばれる『普門館』(東京都杉並区)のステージで吹くことができたことは、大切な思い出ですね」と佐々木さん。今は吹く機会は少なくなったが、楽器や吹奏楽に対する思いは変わらない。

初めての単身赴任、自分だけの時間をどう使う?

そんな佐々木さんは昨年4月、四国支店に着任した。家族は千葉県の自宅に残り、単身での赴任。楽器も自宅に置いてきた。「単身での転勤は初めて。自宅では空いた時間があれば子どもの相手をしたり、家族で出かけたりしてましたが、今は一人なので時間が余るんですよ。それに、高松時代の足跡を何かで残したいと思うようになったんですよね」

そんなとき、思いついたのが「お遍路」だった。業務上、佐々木さんは四国四県の信用金庫へ赴く機会が多い。「着任の挨拶で各県の信用金庫さんをまわりましたが、お遍路に関する話を聞くことがあったんです。休憩所を整備した信用金庫さんもあるという。そんな話を聞いて、四国をもっと知りたいと興味が出たのと、歴代支店長でもお遍路をしていた人がいると聞いていましたし・・・・・・」。早速何冊かのガイドブックを書店で購入、計画を練った。

休日利用の四国遍路は、無理をせず自然体で

土、日の休日利用で遍路に出ることにしたため、佐々木さんが決めたことは、無理をしないこと。「可能な限り歩いてまわりたいですが、日数や体力などの面で厳しくなったら車を使おうと思いました」

記念すべき第1日目は、JR高徳線で徳島に入り、板東駅から歩き始めた。四国支店に着任して2カ月となる昨年6月中旬のこと。この日は発願の寺第1番霊山寺から第7番十楽寺へ参拝し、帰路はバスで徳島駅へ出て、特急で帰ってくるという日程だった。歩いてみて、これはいけると手応えを感じた佐々木さんは、88カ所を回るルートのうち、地図などで歩き遍路が可能な部分を確認。電車やバス、あるいは自家用車を併用しての計画を立てた。徳島では第8番熊谷寺から第11番藤井寺の4カ寺、第13番大日寺から第19番立江寺までの7カ寺、愛媛の第49番浄土寺から第53番円明寺の5カ寺、第44番大宝寺から第45番岩屋寺の2カ寺、そして香川内のすべて札所を歩いて参拝することにした。

88カ所をまわるなかで、まず最初に感じたのは自然が身近にあること。「歩き始めたのが6月で、田植えの季節だったんですね。生まれ育った東北では田植えが5月上旬で、時期の違いも新鮮だったし、植えたばかりの苗や田の瑞々しいにおいが印象的でした」。川の流れ、沈下橋、深い山々。県ごと、季節ごとに異なる景色も心に残る。人との出会いもあった。「ジュースやお菓子などをどうぞと、接待を受けました。がんばってくださいと声を掛けてくれたことも。外国人のお遍路さんとも話したり・・・・・・」。境内での休憩中、どこからきたの?から話が始まったのち、遍路道で再会して励まし合ったことも。「普段とは違うからこそ、一体感や連帯感が生まれるんでしょうね」。そして、秘境のような地に建つ寺にたどり着く度に、霊場を開いた空海や、不便な道を全て歩いてまわった昔の人のすごさやたくましさを感じたともいう。

佐々木さんは今回の四国遍路体験を、ホームページで公開している。各寺の写真などとともに、行程やアクセス、感想などを掲載している。遍路最終日となった今年7月24日の第88番大窪寺への行程は、最近アップされた。「これで結願だと、金剛杖と笠を置こうとしたのですが、寺の人に『高野山まで持っていったら』とアドバイスされました」と佐々木さん。満願のお礼参りが残っているのだそうだ。18日目、第88番の大窪寺で終わっている行程に、「19日目、高野山」でのできごとがアップされる日が、なんとも待ち遠しい。

佐々木 英樹 | ささき ひでき

略歴
1966年 2月 宮城県仙台市生まれ
1988年 3月 東北大学経済学部 卒業
1988年 4月 全国信用金庫連合会
     (現:信金中央金庫)入庫仙台支店、資金証券部、
      総合企画部、しんきん証券(株)出向、
      経営管理部調査役、財務企画部次長を経て
2009年 4月 四国支店長
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佐々木 英樹 | ささき ひでき

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