
運営するのは、特定非営利活動法人 BIGスマイル。高松市楠上町でうどん店「麺匠くすがみ」も運営しており、「つけうどん」など独自のメニューで人気だ。STORY、くすがみともに就労継続支援A型事業所で、「就労継続支援A型」とは、障がいのある人が事業所と雇用契約を結び、支援を受けながら働ける福祉サービスのこと。2店舗合わせて18人の利用者がいる。作業工程を細かく分けたり、調理器具に目印をつけたりして、働きやすい環境をつくっている。
BIGスマイル理事長の野口純一さん(50)は、うどん店と福祉施設の両方で働いた経験をもち「自分のスキルが人の役に立つのはうれしい。飲食店なので『おいしいから行きたい』と思われる場所でありたい」と話す。

高松市楠上町の「麺匠くすがみ」
それから、流行っている店を研究するため、日本各地で派遣社員として働きながら、休日にはご当地の飲食店を回った。「人気店は、おいしさ以外にも雰囲気がいい、車が止めやすい・・・などいくつもの理由がありました。味だけの一本勝負ではなく、見せ方を考えなければならないと分かりましたね」
34歳で再び香川に帰って来た。飲食店への再挑戦を目標に、資金を集めるために働いた。その中で取得したのが、ホームヘルパー2級の資格。ヘルパーの資格があるならと、知人に紹介されたのが、社会福祉法人 竜雲学園だった。竜雲学園は、学園の利用者が働く「竜雲うどん」を運営。野口さんは経験をかわれ、うどん店担当として働くことになった。しばらくすると、就労継続支援A型の制度ができ、お店をリニューアルすることに。野口さんはレシピや店内の雰囲気など、これまでの経験をもとに、店づくりに尽力した。

高松市松縄町の「STORY」
独立して、2016年に麺匠くすがみを開店。今年開店したSTORYは、「ここから新しい物語を作っていく」という意味から付けた。自店舗の運営は2つまでにし、今後は後継者不足や経営難の飲食店を「福祉的M&A」していきたいと考えている。「障がいのある人の働く場所を増やし、収入も増やす。飲食店は働き手を得ることができます。私たちが持つ、働き手の支援や飲食店経営のノウハウを生かせたら」
鎌田 佳子
野口 純一|のぐち じゅんいち
- 略歴
- 1970年 高松市生まれ
1989年 高松工芸高校 卒業
2016年 麺匠くすがみ 開店
2020年 特定非営利活動法人BIGスマイル 設立
2021年 Lunch&Sweets STORY 開店
特定非営利活動法人BIGスマイル
- 住所
- 香川県高松市楠上町2丁目6-36
- 代表電話番号
- 087・880・5496
- 地図
- 確認日
- 2021.07.15
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