「まだまだ伸びる」経験生かし、新たな挑戦を

神椿(資生堂パーラー) 店長 野坂 孝一さん

Interview

2013.08.01

金刀比羅宮の参道500段目にある、カフェとレストランを併設した「神椿」。西日本で唯一の資生堂パーラー関連店だ。業務提携しており、店長とシェフは東京の銀座本店からやってきている。東京の老舗と同じミートクロケットやカレーライスのほか、神椿オリジナルのメニューも味わえる。

野坂孝一さんは、自ら希望して神椿の店長になった。「オープンから6年。まだまだ伸びる部分があると思います」

板前からウェイターへ

高校卒業と同時に、出身地の青森から上京。当時は板前を目指していた。調理の前にホールの仕事を覚えるという店の方針で、ウエイターをしていたところ、接客業の面白さに目覚めた。もっといろいろな現場を知りたいと、飲食店やホテルなどで経験を積んだ。

そんな中、出合ったのが資生堂パーラーだった。家庭を持ったのを機に正社員になり、10年間レストランで勤務。神奈川県横須賀市に自宅も構えた。

「現場を経験して、レストラン以外の仕事も知りたかったので、営業への異動を希望しました」。営業職は、土・日曜日、祝日が休みとなったため、家族と過ごす時間が十分取れるように。自宅からは海と山が近く、3人の子どもたちとよく訪れた。釣れた魚を自宅でさばいて料理を振る舞うこともあった。「釣りへ行く前に『今日の晩ご飯は期待して』と妻に言っておくんですが、帰って謝ることの方が多かったですね」。出身が陸奥湾に面した場所だったためか、海辺にいるだけで不思議と癒やされた。

子どもの学校行事にも積極的に参加。長男と次男のサッカーチームへの入団をきっかけに、自身もサッカーを始め、4年間続けた。「参考書を買い込んで、ルールを覚えました」。職場の仲間ともフットサルをするようになり、大会出場を果たした。「独身時代はよくスキーに行きましたが、結婚後は自然と家族で楽しめるものをするようになりましたね」。子どもたちが成長した今、外出のお供は愛犬のレオ。単身で暮らす香川の住まいは「ペット可」の物件を探し、家族と愛犬が一緒に滞在できるようにした。

人を大事に20年

営業職も10年経験し、今年4月から神椿の店長に。レストランと営業の経験を生かし、新たな挑戦をしたいと考えている。気軽に来店してもらえるよう、お盆の期間にはファミリー向けのバイキングを計画。「神椿を県内でもっと広く知ってもらいたい。地元のサロンのような存在になれば」。そのためには、まずスタッフが気持ちよく働ける環境づくりが大切なのだという。「店に活気があれば、どんどんいい方向に向かっていくと思います。人を大事に育てていきたいですね」

来年は勤続20年の表彰が待っている。「リフレッシュ休暇は、妻と北海道へ行きたい。結婚20年の記念には北陸へ旅行しました。やっぱり海辺を車で走るのがいいですね」。四国の沿岸部や瀬戸内の島々も行ってみたい場所。夏休みに、家族を案内することを楽しみにしている。

野坂 孝一 | のさか こういち

略歴
1962年9月14日 青森県東津軽郡(蟹田町)生まれ
1981年3月 青森県立今別高等学校 卒業
1993年8月 株式会社資生堂パーラー 入社
2009年1月 銀座本店ショップ 店長
2010年4月 営業2グループ 課長
2013年4月 神椿 店長

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