
春の味覚として定着しつつあるが、多い時には3割が大きく育たないなど、成長のばらつきが課題だ。その成長不良魚「通称ビリ」を有効利用しようと、香川県立多度津高校海洋生産科食品科学コースの生徒たちが商品開発に取り組んでいる。
県水産課からの依頼がきっかけ。目指すのは、ブランド魚になれず、安い値段で取り引きされるビリの付加価値向上。同コースの研究は、これまでハマチやハモなどを使ったレトルト食品づくりの実績があり、同様の方法で地域貢献を図る。
1回目の試作は、3年生が実施。生徒らは、解凍したビリのうろこやえら、内臓などを取り除き、オーブンで火を通し、たれを加えて真空包装し、殺菌窯でレトルト処理する一連の作業を丁寧に行った。レトルト処理で高い熱と圧力を加えるため、骨までやわらかくなり、頭から食べられる。常温で長期保存できるのも特長だ。

同コースでは、卒業後、食品加工の企業へ進む生徒も多い。岡田智宏教諭は、「食品加工技術を使って、未利用資源の有効利用や地域の流通経済に貢献することができる。それを身をもって実感してもらえたら」と話した。
おすすめ記事
-
2020.03.05
愛されるブランドであり続けるために
コカ・コーラ ボトラーズジャパン四国地区統括部長 宇野寿重さん
-
2019.11.07
付加価値を高くして、販路が広がった
オリーブ車海老 仁尾産商
-
2019.05.16
いい採用のポイントは「ギャップ解消」にあった
ビジネス香川編集室
-
2019.05.02
ブランド化で農業のイメージを変える
畔家 片岡 雅喜さん
-
2010.08.05
品質最高+「機能はそこそこ」
レクザムの世界ブランド戦略レクザム 取締役副社長 住田 博幸さん
-
2009.11.05
家庭の中で使える本来の漆器をコーディネートしたい。
漆器 山富 常務取締役 山下 芳伸さん
-
2013.06.06
新しい職場の仲間と ハーフマラソン出場目指す
サントリーフーズ 中国・四国支社 四国支店長 大西 和浩さん
-
2017.11.16
与太話まかりとおる
四国なんでも88箇所巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也
-
2018.09.06
ブランド化で品質と取引価格が上がる 小豆島島鱧(しまはも)
四海(しかい)漁協
-
2018.07.05
ミレニアル世代の学び直し
株式会社 新閃力 代表取締役社長 尾崎 えり子
-
2018.04.05
我が社は「平成」全国で1,270社
東京商工リサーチ
最新紙面情報
Vol.412 2025年08月21日号
「ここに来て良かった」 生徒一人一人に寄り添って
学校法人村上学園 理事長 村上学園高等学校 校長 村上 太さん
モニタリングの知見を生かし 地域と「顔の見える対話」を
日本銀行 高松支店長 稲村 保成さん
諸機関と柔軟に連携し 四国の中小企業に寄り添う
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 四国本部長 田中 学さん
まち全体を一つの「宿」に見立て 古民家を核に日常風景の魅力を発信
NIO YOSUGA 代表取締役 竹内 哲也さん/菅組 社長 菅 徹夫さん
生徒の「やってみたい」が地域とつながる 進化するボランティア団体「TSUNAGU」
大手前丸亀中学・高等学校