
春の味覚として定着しつつあるが、多い時には3割が大きく育たないなど、成長のばらつきが課題だ。その成長不良魚「通称ビリ」を有効利用しようと、香川県立多度津高校海洋生産科食品科学コースの生徒たちが商品開発に取り組んでいる。
県水産課からの依頼がきっかけ。目指すのは、ブランド魚になれず、安い値段で取り引きされるビリの付加価値向上。同コースの研究は、これまでハマチやハモなどを使ったレトルト食品づくりの実績があり、同様の方法で地域貢献を図る。
1回目の試作は、3年生が実施。生徒らは、解凍したビリのうろこやえら、内臓などを取り除き、オーブンで火を通し、たれを加えて真空包装し、殺菌窯でレトルト処理する一連の作業を丁寧に行った。レトルト処理で高い熱と圧力を加えるため、骨までやわらかくなり、頭から食べられる。常温で長期保存できるのも特長だ。

同コースでは、卒業後、食品加工の企業へ進む生徒も多い。岡田智宏教諭は、「食品加工技術を使って、未利用資源の有効利用や地域の流通経済に貢献することができる。それを身をもって実感してもらえたら」と話した。
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