倒産件数12件増、7割が「不況型倒産」

2019年度上半期四国地区企業倒産状況 東京商工リサーチ

Research

2019.11.07

<特徴>
①倒産件数は、前年同期比12件の増、過去10年間の比較で6番目
②負債総額は、前年同期比27億1,300万円の増、過去10年間の比較で7番目
③県別件数では、徳島、愛媛、高知で増加、香川は減少
④原因別では、販売不振が49件でトップ、『不況型』倒産は67件で構成比73.6%

2019年度上半期四国地区企業倒産状況(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は件数91件、負債総額150億9,500万円だった。

香川は1件減

香川は、件数28件で前年同期比1件減。負債総額46億2,500万円で、前年同期比18億5,200万円減だった。年度上半期における過去10年間との比較では、件数は14年と同数の5番目、負債総額は18年の64億7,700万円に次いで6番目だった。

愛媛は、件数25件で前年同期比2件増、負債総額は67億7,100万円で前年同期比23億800万円増。高知は、件数16件で前年同期比1件増、負債総額は13億8,800万円で前年同期比7億300万円増。徳島は、件数22件で前年同期比10件増、負債総額は23億1,100万円で前年同期比15億5,400万円増だった。

販売不振がトップ

原因別倒産件数は、販売不振が49件でトップ、以下、既往のシワ寄せ、他社倒産の余波、過小資本・その他、放漫経営、設備投資過大と続いた。「不況型倒産」は67件(前年同期比6件増)で、構成比は73.6%だった。

サービス業他がトップ

産業別では、全10産業のうち9産業で倒産が発生。サービス業他が23件、製造業22件、建設業14件、卸売業12件、小売業9件と続く。前年同期との比較で、製造業13件、建設業6件、農・林・漁・鉱業2件、不動産業1件が増加。一方、サービス業他6件、小売業3件、情報通信業1件減少、卸売業、金融・保険業、運輸業は同数だった。製造業の増加が目立つが、前年同期に倒産の無かった繊維及び木材製造業、印刷業の倒産が発生、原材料及び人件費高騰で収益を圧迫したことによるものと見られる。
中小企業の業績改善は進まず、企業体力の二極化が拡大しているだけに、消費増税後の動向は注意が怠れない。さらに、米中貿易摩擦で円高リスクも高まり、輸出産業の受注や業績への懸念も出始め、年末に向け様々な経営リスクが出てきており、企業倒産は一進一退を辿りながらも増勢を強める可能性が高まっている。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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