多様なものづくりで100年企業を目指す

ダイコープロダクト 代表取締役社長 川北 康伸さん

Interview

2020.03.05

ダイコープロダクト(さぬき市)は、香川で大きく根を張るという意味を込めて「大香」の社名で1963年に創業。「想像を創造するものづくり企業」を掲げ、特殊作業用・スポーツ用・ファッション用手袋とファッションバッグを製造・販売する。

2代目社長の川北康伸さん(48)は「多種多様なものづくりができるのが、うちの強み。人の想像力には限りない可能性があります。『こういうものがあったらいいな』を形にする会社です」と話す。
メンズ手袋のオリジナルブランド「SoH(ソウ)」

メンズ手袋のオリジナルブランド「SoH(ソウ)」

川北さんは高校卒業後、日本大学へ進学。いずれ家業のダイコープロダクトを継ぐつもりだったため、「糸へん」業界であるアパレルやスポーツ用品メーカーを中心に就職活動した。

東京のアパレルメーカーに就職し、入社から1年は社長室に所属。常に社長と行動を共にした。「何もできなくてたくさん叱られましたが、社長から言ってもらったことが経営者になった今、基礎になっていると感じます。『先から物事を考えなさい』といつも言われました」。商品の納期はもちろん、日々の業務はゴールから逆算してスタートを切ることが身についた。

その後、生産管理を担当。「品質・納期・コストの3つは100点を取って当たり前。できなければ怒られるけど、良くても何も言われない。報われない職種だなと思うこともありましたが、生産管理はアパレルの心臓部と言えます」

1998年、家業に入ったが「最初は会社の役に立っていなかった。営業の仕方も分からず、こんなに仕事って取れないのかと思いました」。アパレルメーカー時代の先輩から紹介してもらった東京の商社を訪ね、ファッション手袋を販売したのが、初めての仕事になった。「今もお付き合いがあり、その出会いには本当に感謝しています」

川北さんの入社後、力を入れてきたのがオリジナル商品とバッグの製造だ。OEMは大口の注文になるが、翌年も発注があるかは分からない。それと海外でも販売していくことを考えたとき、オリジナルブランドが必要だと思った。
「stairs design products」はスライド機能を持たせた  バッグやケースのオリジナルブランド

「stairs design products」はスライド機能を持たせた

バッグやケースのオリジナルブランド

2001年に消防・レスキュー隊用の手袋「BULLRESCUE(ブルレスキュー)」、11年にスライド機能の付いたケースやバッグの「stairs design products(ステアーズデザインプロダクツ)」、17年にメンズ手袋「SoH(ソウ)」の製造を始めた。自社のオンラインショップに加え、全国の百貨店やセレクトショップでも販売。3ブランド合わせて、販売先は約200社になる。

06年に会社のウェブサイトを立ち上げたことも、大きな転機となった。「こういうものを作ってほしいという依頼が、お客様からくるようになりました。サイトが営業してくれるんです」。ビリヤードやアメリカンフットボール用の手袋などニッチな依頼もあった。「大手ではなく、うちの規模だからできることがあると思います」

防災グッズを販売している会社から、グッズを入れるカバンを作ってほしいという注文もきた。数百の製造が今では数万に。「そんなところに需要があるなんて、僕らだけでは分からないことでした」

目指すのは100年企業だ。「会社は経営者ではなく、お客様の満足や社員の幸せのためにあるもの。だから一時的な隆盛ではだめで、長く続けないと。100年というビジョンがあることで、社員も安心して働けると思います」

4月には、初めての新卒社員が入社する。「100年企業になるには、若い人の力が必要です。モチベーションを10年20年保ち続けてもらえるのか、常識にとらわれず、こうしたら面白いのではということに挑戦したい」

鎌田 佳子

川北 康伸|かわきた やすのぶ

略歴
1971年 さぬき市生まれ
1990年 香川県立三本松高校 卒業
1994年 日本大学商学部 卒業
アパレルメーカーを経て
1998年 ダイコープロダクト 入社
2016年 代表取締役社長 就任

株式会社ダイコープロダクト

住所
香川県さぬき市大川町田面17‐4
代表電話番号
0879-43-3566
設立
1963年(創業)
事業内容
特殊作業用・スポーツ用・ファッション用手袋とファッションバッグの企画・製造・販売
地図
URL
https://daiko-product.com/
確認日
2020.02.28

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