ものづくりも健康経営も +αの価値ある挑戦を

葵機工 常務取締役 山中 治さん/総務部主任 佐々木 弥香さん

Interview

2022.07.07

山中さん(左から2人目)、佐々木さん(同3人目)と高松工場の皆さん

山中さん(左から2人目)、佐々木さん(同3人目)と高松工場の皆さん

産業用製品総合メーカーの製造部門として1972年に設立、金属部品の切削加工技術を軸に、オーダーメイドの精密機能部品加工を得意とする葵機工株式会社。ものづくりのクオリティを追求するかたわら、「人を大切にする企業」でありたいと、近年は健康経営にも力を入れている。

精度の高さだけでなく、顧客が求める仕様に柔軟に合わせる設計力、これまでのノウハウを生かしたスピーディな対応といった付加価値の高さが同社の強みだ。

車のエアバッグに使われる安全装置部品など、主に自動車関連部品を多く手掛けていたが、コロナ禍で自動車業界の需要が減少する一方、半導体装置の増産に伴ってモーター部品のニーズが急増した。「モーター部品は半導体、自動車、医療をはじめあらゆる分野にかかわりが深く、今後も安定した需要が見込める分野です。生産体制の充実を目指し、工場のレイアウトもモーター製造専用ラインに置き換えているところです」と山中さん。

いち早くロボット化を進めて24時間生産体制を整えていたことも、生産性の向上と品質安定につながっている。製造工程で起きるさまざまな条件変化を予測して機械を運用する「予測管理技術」を確立し、夜間は完全無人での加工が可能に。コロナ対策の一環で時差出勤を実施した結果、作業工程の分散が図れることとなり、現場の効率化も飛躍的に進んだ。

2022年3月、経済産業省が認定する「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)」に初めて選ばれた。「手軽に楽しみながらコツコツできることを、いろいろ工夫しています」と語る佐々木さんは、健康経営を推進する中核メンバーの1人だ。

全額会社補助で行う健康診断の際は体組成計や骨密度計も用意し、診断の数値を一目でわかるグラフに落とし込んで、一人一人の意識づけを徹底。二次検査が必要な人には再検査指示書を発行し、実際に早期発見につながった社員もいたという。

社内の自動販売機には、熱中症対策ドリンクや特保飲料・機能性飲料を採用するとともに、カロリーを表記している。県が推進するウオーキングアプリも導入。歩いた歩数がカウントされ、アプリのユーザー間で結果を競う要素もあるため、ゲーム感覚で取り組める。「社員の3割以上が参加していて、5月の成績は120余社中10位でした。10月の企業対抗戦目指して、みんな闘志を燃やしています」と佐々木さん。部署を超えたコミュニケーションの活性化にもつながっている。

健康経営優良法人の認定は、毎年更新される。「基準も毎年変わるんです。継続的に挑戦できている目安ととらえて、ずっと認定されるよう頑張りたいですね」。佐々木さんの言葉には、「定年まで元気に過ごしてほしい」という真摯な思いがにじむ。

戸塚 愛野

葵機工株式会社

住所
香川県高松市朝日町3丁目7番5号
代表電話番号
087-822-5025
設立
1972年3月
事業内容
・インフレーター、ガスジェネレーター部品
・ガス、油圧バルブ 他
・頭脳モーター部品
・半導体装置部品
・SUS、コバール、ベリリウム、バイタリウム 等、難削材の切削
・設計、加工、組立
地図
URL
https://www.aoikikou.co.jp
確認日
2023.09.21

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