切削工具の寿命を“見える化”

葵機工×四国職業能力開発大学校 連携プロジェクト

Interview

2023.11.02

実験方法について議論

実験方法について議論

葵機工と四国職業能力開発大学校が産学連携し、「切削工具の寿命を見える化する」という課題に取り組むプロジェクト。スタートのきっかけや目標について紹介した8月3日号の記事に続き、今回はその進捗状況を紹介する。

プロジェクトの方向性を改めて確認

精密部品の加工に使う切削工具(刃物)が磨耗した際の取り替えについて、現在は熟練の技術者が製品に影響が出ると判断する時期よりかなり早めに行っているが、本当に正しい交換時期をデータで裏付けして見える化できないか、というのがプロジェクトの目的。課題に対して、四国職業能力開発大学校の機械、電気、電子情報の3つの学科がチームで取り組んでいる。

今回は、その途中経過について学生たちが発表した。発表では現場の気温、工具の温度、振動など、どういった項目のデータをどのような方法で取得するか、また実験に向けてどのような装置を制作するかといった内容を説明。葵機工の技術者たちと意見交換した。

学生たちに、新たな気づきも

大学校での実験の様子

大学校での実験の様子

プロジェクトで難しいのは「磨耗したらただちに寿命」というわけではない点。どういう状態になると「製品に影響が出る」のかはっきりしていない中で、製品に影響が出るほどの摩耗の“きざし”がどこにどう表れるのか。それを導き出す最善の実験について議論が交わされた。

機械科の筒井政汰さんは「実験条件の設定や、正確なデータを取るための装置をつくるのが難しい」と話す。葵機工常務取締役・山中治さんは「失敗を恐れずどんどん実験してほしい」と背中を押し、生産技術課長・山下和也さんも「失敗は進歩のチャンス。課題にぶつかった時は現場の知見がヒントになることもあるので何でも相談してください」と言い、実験の成果に期待を寄せる。

葵機工株式会社

住所
香川県高松市朝日町3丁目7番5号
代表電話番号
087-822-5025
設立
1972年3月
事業内容
・インフレーター、ガスジェネレーター部品
・ガス、油圧バルブ 他
・頭脳モーター部品
・半導体装置部品
・SUS、コバール、ベリリウム、バイタリウム 等、難削材の切削
・設計、加工、組立
地図
URL
https://www.aoikikou.co.jp
確認日
2023.09.21

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構香川支部 四国職業能力開発大学校(四国ポリテクカレッジ)

所在地
丸亀市郡家町3202
TEL:0877-24-6290/FAX:0877-24-6291
専門課程(2年)
生産技術科
電子情報技術科
電気エネルギー制御科
住居環境科
応用課程(2年)
生産機械システム技術科
生産電子情報システム技術科
生産電気システム技術科
地図
確認日
2018.01.04

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