自動化、健康経営、女性の活躍など、働きやすい職場づくり

葵機工

Cha✕Cha

2022.07.21

適性を見極める

業種によって多少違うが、製造業の現場は男性が多いイメージがある。しかし、男女ではなく“適性”という視点で従業員を捉え、一人ひとりの能力を活かす環境づくりができれば、生産性も高まりスキルアップにもつながりやすい。

金属の切削加工技術を軸に、エアバッグに使われる自動車安全装置部品、半導体装置用部品などを製造する葵機工では、様々な取り組みで職場の環境改善、働きやすい職場づくりを進めている。

主体的に行動できるように

葵機工では、品質管理部門を中心にものづくりの現場で働く女性も多い。製造工程の最終段階である検査は製品のよしあしを左右する大事な業務だが、意欲と適性に合った人材配置で品質向上に貢献している。

女性が職場に増えたことで、最も変わったのはコミュニケーションだという。これまで、技術者たちが黙々と業務をこなす印象だったが、積極的にコミュニケーションを取るように。各部署のリーダーが業務や職場環境について意見を言い合う会も定期的に開催され、自分たちがどうしたいか考え、行動するようになった。創立50周年を機にホームページをリニューアルした際も、部署を越えたプロジェクトチームで取り組んだ。

働きやすい環境づくりの一環として、「かがわ働き方改革推進宣言」や「かがわ女性キラサポ宣言」に宣言書を提出。時間単位で休みが取れる制度も設けている。健康診断やインフルエンザ予防接種の全額会社負担、社内の自販機にカロリーを表示するなど「健康経営」にも取り組み、「健康経営優良法人2022」に認定された。これらは、社員が自主的に提案、行動したものだ。

もともと、葵機工では蓄積されたノウハウを生かし、製造工程でおこる様々な条件変化を予測して設備機械を運用する「予測管理技術」を導入。例えば、日中8時間のうちに技術者が刃物をチェックし摩耗具合を計算した上で機械のプログラムを設定。夜間16時間は無人で加工できる体制を整えていた。その自動化をさらに進め、残業ゼロ活動を推進。今まで残業していた時間を自己啓発など有効に使ってもらうのが目的だ。

今後は、より適性に合った業務を担当できるよう「力量評価」制度を活用し、人材教育にも力を入れていく予定だ。

◆キーワード


健康経営

従業員の健康を大切な経営資源と考え、企業全体で健康づくりに取り組むこと。企業理念に基づき、従業員への健康投資を行うことで生産性の向上や職場の活性化が実現すると期待されている。経済産業省では、2016年度から「健康経営優良法人認定制度」を創設。健康経営に取り組んでいる企業を見える化することで、従業員や求職者、取引先、金融機関などから社会的に評価を受けることができるよう環境整備を進めている。


企業文化

組織を形成する経営者や従業員がもつ価値観や行動規範のこと。業績を上げるプロセスや意思決定の指針となるもので、組織内で自然発生して定着した習慣などを指す「企業風土」とは概念が違う。

一般的に、創造や変化を追求するアドホクラシー文化と、統制を重視するハイアラーキー文化、市場の競争を重視するマーケット文化、仲間意識の強いクラン文化の4つに分類される。日本の中小企業はクラン文化が多く、コミュニケーションを重視し、人材開発と組織への参加意識を高めることで成果を上げる。

◆スタッフ・メッセージ

担当している品質管理は、製品で改善してほしい部分を技術者に伝えることもあるので、普段からコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくよう心掛けています。自分から質問すると丁寧に教えてくれ、少しずつ知識が身に付いていくところにやりがいを感じます。これまで三次元測定機の勉強を進めてきたので、今後はもっと品質管理について深堀りしていきたいと思っています。

品質保証部 品質管理課
藤谷佳名子さん
高松西高校出身

葵機工株式会社

住所
香川県高松市朝日町3丁目7番5号
代表電話番号
087-822-5025
設立
1972年3月
事業内容
・インフレーター、ガスジェネレーター部品
・ガス、油圧バルブ 他
・頭脳モーター部品
・半導体装置部品
・SUS、コバール、ベリリウム、バイタリウム 等、難削材の切削
・設計、加工、組立
地図
URL
https://www.aoikikou.co.jp
確認日
2024.09.19

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