新たなチャレンジを乗り越え、各自のスキルもアップ

村上製作所

Cha✕Cha

2022.07.21

このチームだからできた

複数のメンバーが課題に取り組むことを表す言葉として「チームワーク」がある。ともすれば「仲がいい」「団結力」というイメージで捉えられることも多いが、組織論などから見るともっと深い意味がある。

ここで使われるチームとは、メンバーが共通の目的と達成意欲をもち、それぞれの役割を実行するスキルがある、各自の長所を生かしお互いを補完し合うことで、個人の活動以上の成果を生み出すのが特徴だ。職務の質や量、協働する力をもち続けられるか、充実度、仕事を通して各自が成長できるか……といったことが高い基準で満たされていると「チームワークがいい」とされる。

クレーンなどに使われる「油圧機器」をはじめ、治水に関する設備、産業機器を製造する村上製作所が、これまで手掛けたことのない「チャンピオンベルト」の制作ができたのは、企画・アイデア、設計、加工技術、コミュニケーション能力が高いレベルで発揮されたチームワークによるものだった。

“村上らしさ”を追求する

チャンピオンベルト制作のきっかけは、以前プロレスのリングを手掛けて縁があったプロレス団体からの依頼。依頼を受けた担当者は、すぐに企画・デザインを考え始めると同時に、プロジェクト遂行に必要なメンバーの顔を浮かべていた。

チャンピオンベルトは、金属などでつくられる本体部分と体に巻き付ける革部分があり、一般的に本体部分は薄い金属板を塑性(プレス)加工し、それらを組み合わせて作成する。しかし、どうせなら“村上らしい”ものをと、ミクロン単位の金属加工で培った技術を生かし、金属の板から複雑なデザインの本体を削り出す方法を選んだ。 

加工のしやすさではなく、格好良さを目指した複雑なデザインに加え、巻いた時に体に沿うよう本体の金属板にカーブをつけたことで、難しさに拍車がかかった。本体を固定する枠は可能な限り薄くしながらカーブにぴったり合わせ、ネジ穴も本体と寸分違わぬ位置に開ける。革の加工は専門の職人と何度もコミュニケーションを重ね、4kgの本体が巻いた時に前に下がらないよう安全に、かつ美しく仕上げた。

使う素材も道具も技術も初めてのことばかりだったが、いろいろな材料を試し、加工する刃物や文字を切り出す刃物の経路を計算するソフトも導入するなど、新しい挑戦を会社も後押し。結果的に技術者のレベルはさらに高まり、導入した設備で加工の可能性も広がった。何より、依頼主が喜んでくれたことで充実感があった。

企画・設計、加工、他メーカーとの調整という違う視点をもつメンバーがお互いを補い合うことで、“加工できるかどうか”で限界を決めない新たな作品が完成した。

◆キーワード


チームワーク

2人以上の個人で成り立つ集団で、メンバーが共通の目的をもちながら目的を達成すること。集団を表す言葉に「グループ」があるが、こちらは同じ思考や要素をもっている個人の集まりで、チームはお互いの力を補完し合い、個人のスキルの総和以上の成果を上げることを目指す。チームワークの効果を上げる要素として、チームへの意欲や愛着、メンバー間の信頼の強さが挙げられる。成果が上がることで、モチベーションの向上にもつながる。離職率を抑える効果も期待できる。


目標設定理論

目標が及ぼす効果についての理論で、その人にとって適切な目標を設定することでモチベーションが上がり、高い成果が得られる。モチベーションに影響を与える要素として、簡単すぎず、高すぎず、努力することで達成できる目標の「難易度」と、目標が「具体的」であること。また、顧客からの高評価や上司からの声掛けといった「フィードバック」も成果につながりやすい。

◆スタッフ・メッセージ

主に研磨工程を担当しています。加工のプログラムにも携わるようになり、問題の解決方法を自分で探すようになりました。各工程間でしっかりコミュニケーションしながら、設計から仕上げまで一貫生産できるのが村上製作所の強みだと先輩の姿を見て感じます。研磨以外の工程も経験して技術の幅を広げたいと思います。

生産1課2職場
森皆土さん
志度高校出身

株式会社村上製作所

住所
香川県高松市新田町甲297-1
代表電話番号
087-841-4181
設立
1946年
社員数
209名
事業内容
自動堰、水門、水処理施設等の設計・製造・施工
各種油圧シリンダーの設計・製造・組立 他
地図
URL
http://www.murakamiss.co.jp/
確認日
2021.09.02

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