オリーブ酵母を使った酒造りは現在県内4社が取り組んでおり、全32種からNo18が選抜されたが、同社はもう一つNo32の酸の広がりにも着目。それぞれの特長を生かした純米酒を販売している。さらに、No15を使った新商品も開発中だ。
No18と中山千枚田のオオセトを使った「小豆島にオリーブの実のなるころ…」は、日本酒度-17と超甘口ながら、酸の高さで「辛い」とも感じる絶妙なバランス。すっきりと華やかな仕上がりだ。オリーブの花期に数量限定で販売する袋しぼりの原酒は、フルーティな甘口のお酒として楽しめる。
いずれもスペイン政府公認の国際酒類コンクール「CINVE」最高金賞・金賞を受賞するなど国際評価が高く、中小企業基盤整備機構四国本部の支援なども活用して、独自の販路で海外に広く展開している。「フランスのバイヤーに、これからのトレンドは『個性』だと言われました。個性を追求している私たちなら、今の時代に合った提案ができるのではないかと思っています」。
「ふわふわ。」「ふふふ。」「うとうと。」といったユニークなネーミングと、瀬戸内国際芸術祭参加アーティスト監修の洗練されたボトルデザインも、同社の特長の一つ。観光地の酒造として、商品には島を紹介するリーフレットをつけている。「おみやげにはちょっと重い」という観光客の声を受けて100mlサイズのミニボトルを提案するなど、柔軟なアイデアも光る。
伝統を重んじる酒造業界の中で、「新参であることがむしろ強みに」と池田さん。「歴史がないからこそ、前例のない斬新なことにも自由に挑戦できます。あまりとらわれずに、島の酒造として他にないものをどんどん打ち出したい」と語った。
戸塚 愛野
池田 亜紀 | いけだ あき
- 略歴
- 1983年 就実短期大学卒業
2009年 小豆島に移住
1918年 小豆島酒造責任者
小豆島酒造株式会社
- 住所
- 香川県小豆郡小豆島町馬木1010番地1
- 代表電話番号
- 0879-61-2077
- 事業内容
- 酒造業
- URL
- https://sanuki-sake.com/小豆島酒造株式会社/
- 地図
- 確認日
- 2022.12.01
おすすめ記事
-
2023.02.02
幸せは人のつながりから生まれる
麺棒 代表取締役社長 白井 彰さん
-
2022.09.01
モダンと伝統の融合を模索
寒川建築研究所 代表取締役 寒川 洋次さん
-
2022.07.07
ものづくりも健康経営も +αの価値ある挑戦を
葵機工 常務取締役 山中 治さん/総務部主任 佐々木 弥香さん
-
2013.04.18
障害者の就労と自立への意欲を応援したい
社会福祉法人朝日園 理事長 壷井 邦子さん
-
2021.09.16
丁寧に作ったものを、丁寧に売る
讃岐鉄器 槇塚 登さん
-
2021.05.20
お客様の「駆け込み寺」に
讃岐化学工業 代表取締役 鈴木琢真さん
-
2021.04.01
「ものづくりの原点」を50年後にも伝えたい
香川鋳造 専務取締役 仲井 愛美子さん
-
2020.09.03
持って帰りたくなる「箸」を世界に
Bo Project. 代表取締役 香川 直信さん
-
2020.04.16
「身に着けて楽しい」で日本文化を伝えていく
テキスタイルブランドYokke Pokke(ヨッケポッケ) デザイナー 磯野藍さん
-
2020.03.05
多様なものづくりで100年企業を目指す
ダイコープロダクト 代表取締役社長 川北 康伸さん
-
2020.02.06
東かがわの手袋技術を伝えたい
tet.(テト)代表取締役 宮本健哉さん、専務取締役 松下 文さん