
香川鋳造の製造工場。後ろに見えているのが、鋳型を作るライン
※撮影のためにマスクを外しています

鋳型に使う砂。敷地内に装置を作り、
砂の再生利用をしている
同社は、樹脂を混ぜた砂で鋳型を作る。鋳型表面をコーティングして、溶かした鉄や銅を入れる。金属が冷え固まったら、鋳型をばらして鋳物を取り出し研磨。旋盤やマシニングで機械加工を施した後に、部品として完成する。作っている部品は、クレーンやショベルカーなどの建設機械、プラスチック製品を作るプラスチック射出成形機、溶接など産業用ロボットに使われる。言わば「ものづくりのためのものづくり」を担う。
なかでも需要が旺盛なのが、プラスチック射出成形機の部品だ。電気自動車の部品やスマートフォンのケース、コロナ禍により使用が増えた衛生用品の容器などを作るため、射出成形機のニーズが増えているという。以前は県内に40社以上あった鋳造業も、今では7社が稼働するのみ。競い合うのではなく、協業で鋳物の需要に応える。

鋳物で作った機械の部品。
1㌔から5㌧まで様々な部品がある
3年前、専務に就任。「任されたからには、やるしかありません。社長が強い財務体質をつくってくれているので、50年で築いた会社の強みは残しつつ、自分なりに改善点を考え提案しています」
目指すのは100年企業。「先を見据えた持続可能な組織づくり」を意識している。県内の工業系高校を中心に、新卒採用にも力を入れ始め、今年4月は2人が入社した。
「鋳造の『3K』というイメージを変えたい。休憩室の整備など職場環境の改善、業務のデジタル化……課題はたくさんありますが、一つずつ解決していければ。工業製品以外のものも作れたら面白いですね。『下請け体質』から脱却して受注をコントロールできれば、みんながより安心して働けるし、会社の安定感もさらに増すと思います」
鎌田 佳子
仲井 愛美子|なかい えみこ
- 略歴
- 1982年 高松市生まれ
2001年 高松北高校 卒業
2005年 大阪芸術大学 卒業
建設・不動産関係の仕事を経て
2009年 香川鋳造 入社
2018年 専務取締役 就任
香川鋳造株式会社
- 住所
- 香川県さぬき市末371-7 サンテクノシド内
- 代表電話番号
- 087・894・7775
- 設立
- 1964年
- 社員数
- 45名(うち女性6名)
- 事業内容
- 建設機械、射出成形機、産業用ロボット向け鋳物部品の製造
- 資本金
- 5,600万円
- 地図
- URL
- http://kagawa-chuzo.jp/
- 確認日
- 2021.08.31
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