三菱グループゆかりの四国で存在感を示したい

三菱電機株式会社 四国支社長 黒澤 豊司さん

Interview

2022.12.01

日本を代表する総合電機メーカーで働く夢を持ち、その当時人気の高かった宇宙関連事業や半導体事業にロマンを感じて三菱電機に入社。配属は国内向けのファクトリーオートメーション(FA)を担当する部署で、制御用コントローラーをメインに、さまざまな装置用メーカーや代理店などへ主要部品として販売するのが主な業務だった。「半導体装置メーカーと一緒にいいものをつくろうと議論や提案を重ねる中で、大きなものづくりのうねりを実感し、非常に強力で魅力的な分野だと気づきました」

FAを軸に視野を広げた30年

1997年、国内FA拠点の一つである名古屋製作所に異動となり、工場の営業部として生産計画などに携わる。ちょうど同社が手掛けるシーケンサが大きく切り替わる時期で、30歳前後の若さながら、製造担当らと連携して新しい商品ラインナップの将来像を取りまとめる重要な役割を任された。

2001年に中部支社に移り、扱う商品の幅が広がったことが、さらなる成長にもつながった。06年からは神奈川支社でプレイングマネージャーとして奔走。「顧客に自社の魅力を提案する販売営業、現場に近く将来を見据えた生産計画を考える工場営業、どちらも経験できてよかった。特に支社営業では、会社の代表としてお客さまと対面する重さを学びました」。経験を生かし自らをブラッシュアップしようと、2008年には中小企業診断士の資格も取得。「企業経営に関する知識を身につけたことは、管理職として今も生きています」

2011年から本社機器計画部でマーケティングを担当。東日本大震災で混乱する製造現場の立て直しやレアアースの価格高騰など、課長としてさまざまな課題解決に追われる多忙な1年を過ごした。新製品の発表を終えて「さあ売るぞ!」と思った矢先、本社総務部の秘書課に異動が決まる。異例の人事だったが、自社・他社の経営トップと間近に接する機会から得られた糧も大きかった。15年に神奈川支社FAシステム部長、17年に本社機器営業第二部長とキャリアを重ねる中でも、秘書経験を踏まえて人付き合いは特に重視。「お叱りや厳しい声にも裏付けがあるとわかるようになって、仕事の観点が変わりました」。人と人の信頼を大切にし、偽りなく正々堂々向き合う姿勢は、今も守り続けている。

社内交流を活性化し組織力を高める

大好きな寅さんシリーズの聖地・柴又で

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2020年から2年間の関西支社時代は、副支社長としてFA以外の分野にも携わる機会が生まれ、社内外のコミュニケーションを通じて「多くのお客さまに愛されているものづくり」の重要性をあらためて実感。「自分の殻を破れたと感じた時期でした。四国支社でも、部門の壁を越えた交流を大切にしたい」と語り、社内SNSを活用したり、社員4人と1時間お茶を楽しみながらざっくばらんに話し、お互いを知るミーティングを設けるなど、コミュニケーションを通じた組織改革に意欲を見せる。「グローバルな製造企業も多く、三菱グループのルーツでもある四国は重要な拠点。ここで三菱電機の存在感を打ち出すためにも、今が頑張りどころだと思っています」

戸塚 愛野

黒澤 豊司 | くろさわ とよじ

略歴
1967年東京都生まれ
1990年 明治大学商学部卒
   三菱電機株式会社本社機器事業部
2006年 神奈川支社FAシステム部FAシステム第二課長
2011年 本社機器計画部サーボ・ロボットシステムグループマネージャー
2012年 本社総務部秘書課長
2015年 神奈川支社FAシステム部長
2017年 本社機器営業第二部長
2020年 関西支社副支社長兼機器第一部長
2022年 四国支社長

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