年齢を重ね、実感する「剣の道はすべての道に通ずる」

住友生命保険高松支社 支社長 鎌田 恵徳さん

Interview

2010.12.16

昨年春の社内異動で、25年ぶりに故郷・香川に転勤となった住友生命保険高松支社長の鎌田恵徳さん。香川で過ごした大学時代までの日々を振り返ると、剣道に熱中した日々が思い出深いという。

偶然から始まった「剣道」

4段を持つ鎌田さんは、中学入学と同時に部活動で剣道を始めた。「最初は、テニス部員だった2歳上の兄の影響でテニス部の練習を見に行ったんですが、下級生は球拾いという印象が強かった。体育館に向かうと剣道部がいて、見ると新入生も先輩たちと一緒に練習をしている。楽しそうだなあと思って見学していたら、いきなり竹刀を持たせてくれましてね。見学者が少なかったからかな(笑)」

中学時代は部の目標が1回戦突破という状況だったが、高校に進学してからは取り組みが本格的になる。「せっかく始めたのだから高校でも剣道を続けようと思って入部しましたが、現在7段の当時の顧問が厳しくてねえ」。充実した日々の練習は好成績につながったが、残念ながら全国大会出場は果たせなかった。結果を出したのは香川大学時代だ。「4年間で、3度全国大会に出場しました。特にキャプテンを務めた4年次には、ベスト16に入りました」。並み居る私立の強豪大を破っての結果で、現在も同大剣道部の誇れる成績だ。

年齢に関係なく取り組めるのも魅力の一つ

最近でこそ多忙さゆえに離れているが、就職してからも剣道を続けてきた鎌田さん。東京時代は他社の道場に出稽古に出かけていたことも。「年齢に関係なく取り組めるのが剣道です。技を磨くこと、精神力を強くすることはもちろんですが、決して体力勝負ではないんですね。他のスポーツだと20代で体力的にピークが来ることが多いのですが、剣道では40代で日本一になった人もいます。年をとっても強くなれるし、50歳を過ぎて始める人も多いんですよ」

がむしゃらに向かったから勝てるとは限らない。どんなに打つのが早くても、踏み出すタイミングの差によって勝敗は決まる。「大切なのは相手の気・呼吸を読むこと。人は息を吸っているときは身体は動かない。相手が打とうとするその気を読み、その前に打つ。先の先を制すると言いますが、お互い竹刀を交え、お互いの気を読みあうところに勝負の醍醐味があるんです。といってもそれは易しいものではない。高段者になると打ち合うというよりは高いレベルでその気を読み合う勝負をしているものなんですよ」。対峙した相手と気・呼吸を合わせ、間を読むこと。日々の修練で会得できるものだ。

学生時代、剣の道はすべての道に通ずと教えられた。社会人になったら、剣道をしてきたこと、考えていたことが、必ず生きますよと。「そのときは分からなかったんですが、社会人になって25年、少しずつでも続けていると、ああ、こんなことを言っていたのかなあと思える時があります」。個人では、一人ひとりが自分の技量と心を磨き、人間関係の中では、相手の存在を意識し認め合うこと。それが組織自体を強くし、共に成長することに繋がることだと。 

「剣道はね、足が遠ざかる期間があっても、離れてしまうとまたやりたくなるものなんですよ。落ち着いたらまた母校の練習に顔を出したいと思っています」。胴衣姿の鎌田さんが道場に現れる日は近いかも知れない。

鎌田 恵徳 | かまた よしのり

略歴
1961年12月 4日 高松市木太町生まれ
1980年 3月 高松第一高校 卒業
1984年 3月 香川大学経済学部 卒業
1984年 4月 住友生命保険相互会社 入社
1991年 4月 水戸支社水戸城南支部長
2000年 4月 東京中央支社日本橋営業開発室長
2005年 4月 柏支社長
2007年10月 営業統括部次長兼基盤推進室長
2009年 4月 高松支社長

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