自動車学校×フィットネス
異色コラボで新たな地域貢献

T・D・S 未来推進課課長 樽本 勇紀さん

Interview

2024.06.06

日常生活の動作をベースとする高強度の全身トレーニングプログラム「クロスフィット」。世界1万3000以上、国内では約60のジムがあり、初心者からトップアスリートや警察官・消防士まで幅広い層に応える。4月25日、香川初進出となる拠点「高松クロスフィット」がオープンした。運営母体は高松自動車学校を経営する株式会社T・D・Sで、「地域に安全・安心を提供する新たな社会貢献にしたい」と意気込む。

同社がフィットネス事業を展開する背景には、ドライバーの高齢化がある。「運転免許証返納で高齢ドライバーの事故は近年減少傾向にありますが、一方では交通難民化や認知症発症リスクの高まりといった問題も…。それを受けて、自動車学校ができることを考えました」と樽本さん。運転に必要な認知・判断・操作スキルを支えるのは「心と体の健やかさ」であると指摘し、健康な心身を守って運転寿命を延ばす取り組みとしてフィットネスに着目した。自動車学校がフィットネスを運営するのは、全国でも珍しいケースだという。

数あるフィットネスの中からクロスフィットを選んだ理由であり、高松クロスフィットの魅力でもあるのは、日常動作ベースの「トレーニング」と、ストレッチや機材を使って疲れた体をやわらげ怪我なく動ける体をつくる、高松クロスフィットならではの「コンディショニング」を取り入れていること。高いパフォーマンスを発揮する心身づくりは年齢を問わず重要と考え、ジムでは幼児から80代まで広く対応する。理学療法士や栄養士、介護福祉士などの資格を持つトレーナー4人が、専門知識に基づいて指導に当たる。

1回1時間、1クラス約10人のグループ制だが、会員一人一人の目的に合わせてトレーナーが柔軟にメニューをカスタマイズするため、同じクラスに属していても取り組む内容はそれぞれ異なる「セミ・パーソナル」システムだ。グループのコミュニティを通じてモチベーションを刺激し合えること、1カ月分のプログラムをまとめて組み立て「やるべきこと」を明確にしている点も、トレーニングに対する心理コストを下げて続けやすくする工夫の一つ。会員であれば他のクロスフィット拠点にも参加できるため、他県や海外でも無理なく継続できる。

オープン約1カ月で80人以上が登録し、今のところ30~50代女性の美容ニーズが高い。「きっかけは何でもいいんです。大切なのは、健やかな心と体を保ち続けていただくこと」と樽本さん。「自動車学校は教習所のイメージが強いと思いますが、私たちはより大きい視点で、地域の交通安全センターを自認し、地域の安全安心に貢献することを使命と考えます。教習所を交通インフラの一つとすれば、クロスフィットが目指すのは健康インフラ。私たちの取り組みが、地方都市が抱える課題を解決するモデルとして全国に広がればうれしい」と展望を語った。

戸塚 愛野

株式会社T・D・S

住所
香川県高松市上天神町646番地
代表電話番号
087-867-7439
設立
昭和35年5月
社員数
54名(男35名、女19名)
事業内容
自動車教習所
地図
URL
https://www.takamatsudrivingschool.co.jp/
確認日
2024.06.06

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