過去と未来にとらわれず今を見つめる

住友商事 四国支店長 兼 新居浜支店長 平林 武志さん

Interview

2016.03.03

「住友のルーツとも言える四国に来て、歴史に触れ、貴重な経験が出来ています」。愛媛県新居浜市には、かつて住友家が経営した別子銅山がある。2013年4月から四国支店長と新居浜支店長を兼務している。香川や愛媛の堅実さに、住友商事の気質と似たようなものを感じると言う。

友人を四国各地へ案内することもある。栗林公園や屋島からの景色の美しさには思わずうなる。「気候も穏やかで住みやすい。刺激が少ないとも言えますが、その落ち着いた雰囲気は他地域と比べてアドバンテージにもなると思いますね」

ドバイ駐在が自信に

自らの性格を好奇心旺盛、新しい物好きだと言う。幅広い仕事が経験出来るのではと思い、商社を志望した。入社後は設備機器の輸出に携わり、外国での仕事は大いに刺激になった。海外出張では中国やインドネシア、マレーシア、タイなどを訪れた。1987年から91年まではドバイ事務所に駐在し、その時のことは強く印象に残っている。

駐在員は3人しかおらず、自分が頑張るしかないという気持ちで何事にも挑戦した。「過去よりも未来よりも今が大事。全力で目の前のことに取り組む。今出来ること、やらなきゃいけないことをとにかくやる」

過去の失敗はくよくよしても仕方がないし、未来を不安に思うと悩みは尽きない。異国での経験からそう思うようになった。自分の仕事に自信を持てるようにもなった。「レースから降りずにどうやって立ち直るか、そんな気持ちが大切だと思いますね」

料理も読書も地元を楽しむ

四国に来てからの約3年で8キロほど体重が落ちた。週に4回、自宅近くのため池の周りを歩く。「平坦な道が多く、ウォーキングやジョギングがしやすい。健康になるためのインフラが整っているように感じますね。休日はゴルフにも出掛けますよ」

単身赴任のため、休みの日は掃除、洗濯、自炊も欠かせない。高松での暮らしは、食材が豊富で料理が面白いと言う。新鮮なアナゴやタイラギ貝がスーパーマーケットで手に入ることに驚いたそうだ。

読書が好きで、出掛けた先でも読めるように文庫本を購入する。エンターテインメントや推理小説、重松清や三浦しをんの作品をよく読む。転勤すると、その土地にゆかりのある人の作品も読む。四国支店に赴任してからは、丸亀市出身の小説家・山下貴光の本を読んだ。

存在意義を高める

今年7月に定年を迎える。「これからも会社の存在意義を高めることに努めたい。社会にどれだけ貢献出来るかを意識しています」。高校で開かれた社会人を講師として招く会に参加するなど、地域での活動も大切にしている。

平林 武志 | ひらばやし たけし

略歴
1956年 7月 北海道出身
1980年 3月 慶應義塾大学経済学部 卒業
1980年 4月 住友商事株式会社 入社
1987年 8月 アラブ首長国連邦ドバイ事務所 駐在
2005年 4月 九州機電・情報産業部長
        兼 北九州支店長
        兼 南九州支店長
        兼 住商マシネックス九州株式会社 社長
2007年 4月 住友商事マシネックス株式会社
       ソリューションシステム本部副本部長
2009年4月 住友商事マシネックス株式会社 理事
      情報通信・電子機器本部長
2010年6月 住友商事マシネックス株式会社 取締役 就任
2012年4月 住友商事マシネックス株式会社
      取締役情通電子&生活・食品システム本部長
2013年4月 住友商事株式会社 四国支店長 兼 新居浜支店長

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ