湧き出る好奇心と探求心

日本貿易振興機構 地域統括センター長 香川貿易情報センター所長 平井 利長さん

Interview

2014.10.16

「高松へ来て、地方の暮らしやすさをあらためて実感しました。食べ物がおいしくて安くて、いいですね」。休日は、県内各地へ足を運ぶ。静岡県出身で、東京のほか神戸や松江、アメリカのニューヨークやボストンでの勤務を経験してきた。

蔵元巡りがライフワーク

大学時代に東南アジアやヨーロッパを旅した。1年間、アメリカに留学したこともある。大学入学までは英語が苦手だったという。「国際的な視点を持つことを重視している学校でした。そこで初めて、世界に目が向きましたね」

留学では、英語をうまく話すことよりも、伝えたいという気持ちが大切だと感じた。コミュニケーションを図るにはどうすればよいか、身をもって経験したことで、度胸も据わったそう。「残念ながら、一緒にボストンに滞在した子どもたちのほうが、英語は流ちょうです」

10年ほど前に「唎酒師」の資格を取得。日本酒の歴史や造り方を学び、料理に合う酒の提案ができるようになることを目指すものだ。学生時代はいわゆる第一次地酒ブーム。そのときにおいしい日本酒を知ったことがきっかけで、はまった。

「全国の蔵元を訪れて酒を味わうことと、日本酒のおいしさを世界に広めることが、ライフワークの1つ。冬から春にかけて、新酒を味わいながら蔵を巡りたいですね」

日本と世界をつなぐ

「貿易を通して、日本と世界をつなぐ。こんなにやりがいのある仕事はありません」。高松への着任後、ジェトロ香川のミッションステートメントをスタッフとともに作成した。「国際ビジネスを支援して地域の富を増やす」というものだ。

「ジェトロは商社ではありません。直接、商品の売買はできませんが、支援者として地域の役に立てたら。企業の取り組みが円滑に進むよう、ガイド役を務めたいですね」。まずは、顧客が何を望んでいるのか、じっくりと話を聞くことから始める。

「今、高松の盆栽をアジアやヨーロッパなど海外で販売するお手伝いをさせていただいています。『第2の盆栽』となるものを発掘したいですね」。そのためにも、香川の西から東までいろいろなところへ行き、たくさんの人に会いたいと考えている。

「50歳になっても、知らないことはまだ多いですね」と話す平井さんの目は輝く。「自然や歴史、食文化、観光名所、祭りなどあらゆるものと出合えることが楽しみです」

ジェトロとしての新しい試みも考えている。「宿泊施設や飲食店の接客など『日本のサービス』はレベルが高く、海外でも喜ばれると思います。おもてなしの心を感じられるサービスのノウハウを、商品として海外へ紹介できれば」

平井 利長 | ひらい としなが

略歴
1964年4月  静岡県沼津市生まれ
1988年3月  国際基督教大学教養学部 卒業
1988年4月  ジェトロ 入構
1993年4月  中小企業庁 国際室 調査係長
1995年3月  ニューヨークセンター PR担当ディレクター
2002年12月 松江貿易情報センター 所長
2006年8月  企画部 事業推進主幹(国内)
2008年5月  企画部 国内事務所運営課長
2010年1月  在ボストン日本国総領事館 領事
2013年7月  企画部 事業推進主幹(北米・大洋州)
2014年8月  地域統括センター長(四国)
       兼 香川貿易情報センター所長

ジェトロ香川(独立行政法人 日本貿易振興機構 香川貿易情報センター)

住所
香川県高松市番町2-2-2 高松商工会議所会館5階
代表電話番号
087-851-9407
事業内容
中堅・中小企業の海外展開支援
グローバル時代の地方創生と人材育成
代表者
会長 泉雅文(香川県商工会議所連合会会長)
地図
URL
https://www.jetro.go.jp/jetro/japan/kagawa/
確認日
2020.09.08

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