海外展開をスムーズに進めたい、事業発展を目指したい企業の方へ

ジェトロ香川

Interview

2023.12.07

約80年後の2100年には、日本の人口が現在の1億2,000万人から7,000万人まで減少すると試算される一方で、海外では新興国や途上国を中心に人口は増加。世界人口は現在の79.9億人から103.5億人になると予想されている。

事業発展のためには、縮小する国内市場だけではなく海外成長市場の取り込みは重要だが、スムーズな海外展開のためのノウハウや商習慣の違いへの不安などで踏み切れない企業も多い。そんな中小企業を強力にサポートする事業が、国を挙げて進められている。

中小・中堅企業の海外展開を企業ごとにサポート 「新輸出大国コンソーシアム」

EPA(経済連携協定)の拡大・進展等で海外市場の拡大が見込まれる中、政府は日本経済を支える中堅・中小企業の国際的な競争力を高める必要があるという方針を打ち出した。これを受け、JETRO(ジェトロ)では関係機関の協力を得ながら中堅・中小企業に伴走する形で海外販路の開拓や現地での拠点設立を、企業の事情に合わせてきめ細やかにサポートしている。

その一つが「新輸出大国コンソーシアム」だ。これは、海外展開を目指す中堅・中小企業等に対して、全国の商工会議所、商工会、金融機関、ジェトロなどの機関が幅広く結集し、総合的・多角的な支援を行う枠組み。ジェトロは同コンソーシアムの事務局を担うとともに、専門家による個別支援サービスも行っている。

特徴1 海外展開の段階に合わせた伴走型個社支援

●海外展開戦略策定、事業計画策定、実行と、各企業が取り組まれている段階に応じて、各国・地域の事情、実務に精通した専門家が支援(審査あり)。
●輸出や海外拠点設立など海外展開全般について、継続的な企業訪問やオンライン面談、海外出張同行(※)を通じて、海外展開計画の作成から海外販路開拓、立ち上げまでを一貫して支援。
※専門家の海外出張同行経費の一部負担の場合あり

特徴2 個別課題に対応するスポット支援

●海外展開に関する課題(海外展開戦略策定支援、貿易実務・商談支援、基準・認証、法務、税務・会計、物流)について、それぞれのテーマ、国・地域事情、実務に精通した専門家(弁護士/公認会計士/税理士/行政書士など)が支援。

活用事例 養鶏場で死んだ鶏を自動検知する機器「ロボコッコ」をタイに展開 大豊産業

代表取締役社長 乾 和行さん

代表取締役社長 乾 和行さん

「省力化」「インフラ整備」「新エネルギー」を担うトータル・エンジニアリング企業である大豊産業は、技術力を生かした製品をタイで展開している。

乾和行代表取締役社長によると、海外展開の舞台としてタイを選んだ背景には、自身の8年間のタイ滞在経験があるという。ただ「海外展開を始めた矢先にコロナ禍となり、タイに渡航できずビジネスが停滞しました」と振り返る。

大きな転機となったのが、香川県とジェトロ香川が主催するタイ・オンライン商談会。「この商談会を通じてタイの大手企業とつながりを築くことができたため、2022年7月にタイ渡航を再開した際も、スムーズに海外展開を進めることができた」という。23年4月には現地法人を立ち上げ。初めての海外ビジネスも、専門家のアドバイスやエキスパートによる法務相談を通じて、安全かつ効果的に事業を進められていると話す。

EPA(経済連携協定)を活用することで、貿易コストの削減も可能に

2022年1月1日に発行された「地域的な包括的経済連携協定(RCEP)」を活用すれば、締約国間で関税削減効果などの貿易上の障壁の除去をはじめ、取引の上でさまざまな協力連携が促進される。現在、日本が締結しているEPAの数は21で、輸入時の関税削減効果を期待し、海外の取引先からEPA活用を要請される企業は増加傾向にある。

地域的な包括的経済連携である「RCEP」発効前後には「中国、韓国向け輸出でRCEPを利用したい」との相談が急増したが、最近はベトナムやインド向けの輸出で利用できる「EPA」に関する問い合わせが増えているという。

ジェトロにも「EPA利用は初めてだが、何から始めれば良いか」「EPAの原産地証明書の取得方法を知りたい」「日本への輸入時にもEPAは使えるのか」といった相談が寄せられている。

ジェトロ香川が携わった具体的な事例では、インド向けに食品を輸出する県内企業が「日本・インド包括的経済連携協定」の利用に取り組み、特定原産地証明書を取得されたことで、通常30%の輸入関税をゼロに減らすことができたというケースも。その際、ジェトロ香川からは、関税率の確認方法や根拠書類の作成方法、発給機関である日本商工会議所への申請方法を案内した。

なお、ジェトロのウェブサイト(https://www.jetro.go.jp/themetop/wto-fta/)では、日本が締結しているEPAと各解説書を掲載している。輸出先の国・地域によっては複数の協定を利用できる場合があるため、どの協定を利用すればいいかなどご不明な点は、ジェトロ香川で相談を受け付けている。

また、ジェトロ香川では24年2月に「EPA利活用に関するウェビナー」を開催する予定。海外ビジネスに関わる県内企業のみなさんはぜひ活用を。

【問い合わせ先】
ジェトロ香川
TEL. 087-851-9407 FAX .087-822-1931 
E-mail KGW@jetro.go.jp

ジェトロ香川(独立行政法人 日本貿易振興機構 香川貿易情報センター)

住所
香川県高松市番町2-2-2 高松商工会議所会館5階
代表電話番号
087-851-9407
事業内容
中堅・中小企業の海外展開支援
グローバル時代の地方創生と人材育成
代表者
会長 泉雅文(香川県商工会議所連合会会長)
地図
URL
https://www.jetro.go.jp/jetro/japan/kagawa/
確認日
2020.09.08

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