四国の産業・技術を育てる

一般財団法人 四国産業・技術振興センター(STEP)

Interview

2021.02.04

産業振興部・今田明宏さん、総務企画部・清谷智宏さん

産業振興部・今田明宏さん、総務企画部・清谷智宏さん

1980年代、エレクトロニクスやバイオといった新たな産業が注目され、技術開発が進んでいた。そういった流れに後れを取らないよう四国でも地域の産業・技術を育てる、という目的のもとSTEPは設立された。

「四国はもともと炭素繊維、食、紙関連の産業が盛ん。そういった地域の特徴を生かしながら、それ以外にも四国の将来を担う産業全体を、または有望な技術を持つ企業を支援しています」(総務企画部・清谷智宏部長)。2008年からは、他の研究機関、支援機関、大学、金融機関と連携し設立した「イノベーション四国」の事務局として、専門家の派遣やすぐれた技術の表彰事業も行っている。

現在、力を入れているのはセルロースナノファイバー(※)をはじめとした新素材を活用した事業の創出と、機能性食品の創出の支援だ。

機能性食品は、健康志向を背景にニーズが高まっている分野の一つ。特に“四国発”の商品を生み出すことに力を入れ、独自の認証制度「ヘルシー・フォー」を17年に制定。四国産の機能性素材を使用、または四国で製造された商品を対象に、論文などの科学的根拠を審査し、認証されれば商品にマークを表示できるという制度だ(認証は正会員対象)。

「国の認証制度である特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品は、申請手続きが煩雑、認証までの期間が長いといったことから、中小企業にとってはハードルが高い面がありました」と産業振興部・今田明宏部長。ヘルシー・フォーは科学的根拠があれば、必ずしも自らがヒト介入試験をする必要がなく、申請から認証までに4カ月ほど。申請支援はもちろん、開発段階や販売後の販路開拓などもサポートしている。

20年度までに認証された商品は8品。現在、2件が審査中である。「サプリメントだけではなく、市販されている一般的な食品での認証を増やすことも当初からの目標」と産業振興部・森久世司担当部長。商品に「おいしい」だけではない付加価値が生まれるこの制度を、積極的に活用してほしいという。

※木などから化学的に抽出したナノサイズの繊維で、軽くて強度が高い上に環境にやさしい素材として、自動車、住宅、家電などへの活用が期待されている

一般財団法人 四国産業・技術振興センター(STEP)

住所
香川県高松市丸の内2-5
代表電話番号
087・851・7025
設立
1984年
事業内容
成長分野での新事業創出、有望な技術を持つ企業の成長支援、四国地域イノベーション創出協議会の運営など

確認日
2021.02.04

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