県内企業の約9割は正社員の採用計画を策定

2019年度の正社員採用状況アンケート調査結果 百十四経済研究所

Research

2020.11.19

正社員採用は「新卒者・中途者ともに」が42%
図表1

2019年度の正社員採用実績の内訳で、最も多かったのは「新卒者・中途者ともに」で42%、次いで「中途者のみ」が37%、「新卒者のみ」は6%にとどまり、雇用環境が逼迫している状況にあっては「新卒者」を採用することは難しいことがうかがわれる。また、「採用実績なし」も15%あった。

新卒者採用数の前年度比は「変わらない」が6割 図表2

図表2

図表2

採用した新卒者数の前年度増減をみると、全体では「変わらない」が最も多く60%を占め、次いで「減少」24%、「増加」17%となっている。また、従業員規模が大きくなるにしたがい新卒者増加の比率が増加する特徴がみられる。

中途採用者の職種は「事務員・作業員」が最も多い 図表3

図表3

図表3

中途採用者の職種は(複数回答)、「事務員・作業員」が63%で最も多く、次いで「営業・販売」が44%、「経理・総務」15%、「その他」14%、「商品等(商品・サービス)開発」11%と続く。

人材・人員ともに充足している企業は17%にとどまる 図表4

図表4

図表4

正社員の採用において、人材・人員の両面から充足状況を調べたところ(複数回答)、「人材・人数確保(希望する人材を十分な人数分確保できている)」は17%、「人数確保(必要な人数は確保できているが、希望する水準の人材は確保できていない)」25%、「人材確保(希望する水準の人材を確保できているが、人数は不足している)」22%、「人材・人数不足(人材の水準も人数も満たしていない)」36%となっている。人材・人員ともに充足しているのは、県内企業の17%にとどまっているのが実態である。

業種別に充足状況をみると、製造業では「加工組立型」で、非製造業では「卸売・小売業」および「運輸業」で、採用における「人材・人員不足」が約5割を占めている。

2020年度の採用計画は

前年度までは正社員採用が厳しい状況にあった。今年度は採用計画が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けていないかを把握するために調査を実施。その結果、「新卒採用計画あり」は18%、「中途採用計画あり」は27%、「新卒・中途とも計画あり」は44%となった。採用計画のない企業は12%にとどまり、県内企業の約9割は正社員の採用計画を策定している現状が明らかとなった。
◆  ◆  ◆
 新型コロナの感染の広がりから、企業業績に不透明感があることから、県内企業の正社員採用への影響を今後も注視していく必要がある。

※2020年3月、県内企業に「2019年度の正社員採用状況」のアンケート調査を実施。
調査対象企業441社のうち有効回答266社を集計・分析。

(一財)百十四経済研究所理事長 平尾幸夫

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