香川県内民間企業の3割が支給見込み額を引き下げ

2020 年夏季ボーナス支給見込みアンケート調査結果 百十四経済研究所

Research

2020.09.17

ボーナスの支給スタンス(全業種)の前年度との比較(162社)

ボーナスの支給スタンス(全業種)の前年度との比較(162社)

新型コロナウイルス感染症が国内経済に与えた打撃は大きく、その影響は香川県の民間企業の今夏のボーナス支給見込み額にも表れた。

県内の民間企業の約3割が支給見込み額を引き下げ、支給額は昨年度比で1.17%減少となった。支給しないと回答した企業も全体の1割を超えた。

支給見込み額は6千円減少

業種別 夏季ボーナス支給見込み額の前年比較

業種別 夏季ボーナス支給見込み額の前年比較

回答のあった企業162社の1人当たり平均支給額は50万9千円となり、前年同期比1.17%、金額で6千円減少した。平均支給月数は1.94カ月で、前年同期比2.02%減少した。

業種別にみると製造業は53万7千円(前年同期比2.89%、金額で1万6千円減少)となった。一方、非製造業は、48万7千円(前年同期比2.53%、金額で1万2千円増加)となった。

約3割の企業が夏季賞与を引き下げ

支給スタンスを「引き下げ」とした企業が、昨年度の10.5%から31.5%と大幅に増加した。「支給なし」も昨年度の4.9%から11.1%に増えた。業種別にみると「引き下げ」とした企業は製造業では41.4%、非製造業では23.9%であった。

引き下げた理由は「業績不調」

支給スタンスを引き下げとした理由

支給スタンスを引き下げとした理由

支給スタンスを「引き下げ」とした企業に複数回答でその理由を尋ねたところ、72.5%の企業が「業績不調」、52.9%の企業が「景気動向」と回答した。

引き上げた理由は「モチベーション」

支給スタンスを引き上げた理由

支給スタンスを引き上げた理由

支給スタンスを「引き上げ」とした企業にその理由を尋ねると、69.0%の企業が「モチベーション」(従業員のモチベーションアップ)、55.2%が「業績好調」、41.4%が「雇用維持」と回答した。一部の業種では厳しい感染防止施策をとりつつ巣ごもり需要等への対応を強いられた社員や従業員に報いるべく、夏季ボーナスを引き上げ、または維持しようとする動きも見受けられた。
◆ ◆ ◆
5月に緊急事態宣言が解除されて、景気は回復するものと思われたが第2波が到来して先行きは見通せない状況が続いている。感染防止対策を進めながらもその効果を冷静に見極め、経済再生との両立を目指す取り組みが重要である。

【調査の概要】
百十四銀行では年2回、夏季と年末にボーナス支給見込みアンケート調査を実施している。今年夏の調査は6~7月、香川県内に本社または主工場をもつ民間企業292社を対象に、郵送やWeb上でアンケートを実施し、有効回答率55.5%であった。

(一財)百十四経済研究所理事長 平尾 幸夫

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