地域に雇用と活気を呼ぶ
ものづくり拠点を目指す

株式会社本気モード 大浜スイーツアカデミー校長 新田 茜さん

Interview

2023.12.07

今年7月、三豊市詫間町大浜地区にオープンした「大浜スイーツアカデミー」。同町に本社を置き、食品や釣り具などのネット通販から食品卸売、WEB制作、ネットショップ運営代行まで幅広く手掛ける株式会社本気モードの新しい製造拠点だ。コンサルティング事業からスタートした同社は、県内の菓子店と連携してスイーツ販売を手掛けるようになり、三豊の食材を使ったスイーツやナッツなどのオリジナル商品をネット通販で展開中。大浜スイーツアカデミーはチョコレートを中心とする自社商品の製造・出荷を担い、ゆくゆくは製造体制の拡大とともに地域交流の拠点として整備していく見通しだ。

アカデミーと名付けたのは、旧大浜小学校の校舎を再活用しているから。高齢化・過疎化が進む大浜地区では、地域住民の雇用先が少なくなっている。車がなければ遠方へ通勤するのも難しい。「それなら地域にとって思い出深いこの場所で雇用を生み、地域の課題を解決しよう、というのが大浜スイーツアカデミー設立のきっかけです」と新田茜校長。「仕事の場だけでなく、高齢者の居場所として日常的な安否確認の場にもなり、手先を使う作業は認知症防止につながるかもしれません」

30~60代以上と雇用のターゲットは広い。回覧板を通じて「働きませんか」と呼び掛けたところ、地域の反応は上々。旧校舎のリニューアル工事中も住民からさまざまな関心が寄せられ、同社のスイーツを知っている層からは「来てくれてうれしい」という声も上がった。現在は大浜小の卒業生を含む数人がチョコレート商品のパッキングなどに従事。本格的な雇用がスタートするのは拠点機能が整ってからになりそうだが、地域のニーズには手応えを感じているという。

製品のブラッシュアップにも余念がない。パティシエや工場管理の経験を持つコンサルタント数名の監修の下、消費者のレビューを反映しながら新商品開発や既存商品の改良を重ね、「和三盆クッキー」など反応が大きく向上した例も。県外からの注文が多いことから、香川産食材のブランドを打ち出した商品開発に力を入れている。

今夏、旧体育館を使って地域住民と社員の交流イベントを実施した。「将来的には、広い敷地と地域の皆さんのノウハウを生かして野菜などの栽培や養鶏も手掛け、ここで採れたものでものづくりをしたい」と新田さん。今後2年を目安に建物や設備を整え、製造販売とともに見学や交流ができるオープンな場づくりを地域一丸で目指す。

旧小学校の外観は、ほぼそのまま。敷地を整地する際も、校庭の大楠はシンボルツリーとして残した。地域の歴史と思い出が詰まった場所で、住民とともに新しい未来図を描こうとする同社の挑戦は続く。

戸塚 愛野

株式会社本気モード

住所
香川県三豊市詫間町松崎1743-1
代表電話番号
0875-24-8551
社員数
107人(2023年6月現在)
事業内容
通信販売(食品・釣り具・その他)、スイーツ製造業(和菓子、洋菓子)、食品小分け業、ECにおける売上支援事業、Web制作事業、ネットショップ運営代行、通販出荷代行業、食品卸売業
地図
URL
https://www.honki-mode.co.jp/
確認日
2023.11.16

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