困りごとを解決する身近な専門家

中小企業診断士は国家資格だが独占業務がなく、「ビジネスを広く学べる」ことからキャリアアップの一環で取得する人が増えたこともあり、独立・開業している有資格者は全国的にみると3割程度とされる。

そんな中で香川県中小企業診断士協会のユニークな点は、103人の会員のうち8割以上が独立もしくは将来独立を望んでいることと、約3分の1が県外からの入会であることだ。公的機関の経営相談アドバイザーや企業の経営コンサルタントなど、官民問わず幅広い分野で「困りごとを解決する身近な専門家」として、早くから伴走型支援に取り組んできた。会員が企画したさまざまな研修やイベントを協会が全面的にサポートし、活動に活気がある。

「転機は15年ほど前、前会長の時代です」と、岩倉正敏会長。「診断士の資格更新手続きをサポートする程度だった会の機能を大胆に見直し、会員がやりたいことを柔軟に後押ししてくれるようになりました」。独占業務がないからこそ、何でもできるのが強み。独立を意識し、企業実務にも強い会員が多いだけでなく、活発な研修活動を通じてアーリーステージの診断士が実績を積む場にもなっている。