道の駅は日本の宝 「ふるさと大好き」が原動力に

四国にぎわいネットワーク 常務取締役 難波 広孝さん

Interview

2013.12.19

「ものを売ることよりも、ふるさとの情報発信を第一に考えています。信頼と売り上げは、後からついてくるのでは」。そう話す難波広孝さん(48)。2007年のオープンから今年3月まで、「道の駅源平の里むれ」の責任者「駅長」を務めていた。

06年11月、東交バス株式会社のグループ会社として誕生した、株式会社四国にぎわいネットワーク。塩江にある奥の湯温泉や、道の駅源平の里むれなどの運営が主な業務だ。難波さんは、四国にぎわいネットワークの設立に伴い、東交バスから転籍した。

駅長時代、徹底的に行ったのは情報収集だ。「1年目は、道の駅に入ってくる観光バスを観察しました。どこからどれくらいのお客様が来ているのか、情報を集めたんです。2年目はそれをもとに、四国、中国、近畿地方のバス会社などを中心に営業活動を始めました」

時には私服で店頭に立ち、買い物客に交じって、道の駅や商品に対する正直な感想を聞いた。「こんな商品があれば、もう少し安ければなど、いろいろな声がありました。店舗の運営や商品開発に大変参考になるものばかりでしたね」
現在、売り上げは好調で、年間約40万人が訪れている。今年の5月には拡張工事が完成し、販売スペースはさらに充実した。

オープンから6年あまりで、商品のラインナップは7割ほど変わったという。源平の里むれならではの商品に重きを置き、店頭には、ユニークなオリジナル商品が並ぶ。中でも目を引くのは、香川の特産品をモチーフにした雑貨だ。

人気商品となったのは、「さぬきうどん名刺ケース」。麺の形、つやは本物さながら。「うどんを食品以外の方法でPRしたかったんです。台湾からのお客様に20個買っていただいたときは、うれしかったですね」

伝統工芸士の神内俊二さんに制作を依頼した「鬼瓦 さぬきうどんの器」は、かがわ県産品コンクールで知事賞を受賞。鬼瓦の素晴らしさを知ってほしいと、難波さんが考えたものだ。「どれも、地元の皆さんの協力があってはじめて完成する商品です。気持ちのこもったものをお客様にお届けできれば」

オリーブハマチの写真をプリントしたペンケースなど大胆な発想は、難波さんが片時も離さないノートから生まれている。「考えるのが好きで、思いついたら何でも書き留めています。すぐに一冊埋まってしまいますね」

香川県が開発に力を入れる希少糖も、いち早く取り入れた。道の駅の食堂で、ハマチの照り焼きやサワラの味噌漬けを販売。「希少糖を使った料理を提供したのは、ここが世界初です。研究段階から注目していて、使わせてほしいとお願いしていました」
「地域の協力やスタッフの前向きな取り組みで、好調な運営を保ってこられました。スタッフに感謝しています。胸を張って『うちの従業員は素晴らしい』と言えますね」。難波さんの言葉には、地元とスタッフへの愛情がにじむ。「ふるさとが大好きなんです。貢献できることはないかと、いつも考えています」

現在は、本社で新規事業の企画に携わる。「本社にいても、現場の声を聞きたい。道の駅を地元の方々や観光客の皆さんが、もっと交流できる場にしたいですね。地元の特産品が集まる道の駅は、日本の宝ですから」。これからも笑顔が生まれる施設づくりは続く。

難波 広孝 | なんば ひろたか

1965年7月13日 高松市生まれ
1988年 福山大学経済学部 卒業
    東交バス株式会社 入社
2006年 株式会社四国にぎわいネットワーク 転籍
写真
難波 広孝 | なんば ひろたか

株式会社四国にぎわいネットワーク

所在地
高松市朝日新町32-10
TEL
087-823-6055
FAX
087-823-6051
確認日
2018.01.04

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