
この日集まった4人で。細川貴司さん、喜田貴伸さん、矢野太一さん、北川智博さん(左から)
メンバーは喜田建材の喜田貴伸さん(44)、モクラスの矢野太一さん(42)、西日本住建の寺下幸治さん(40)、HARASHIMO BASEの屋号で農業を営む細川貴司さん(34)、瀬戸内うどんカンパニーの北川智博さん(34)。北川さんは高知県、4人は三豊市の出身だ。
地域のために何かできないか―。そんな思いで集まった5人。18年の年末に蔵を見学し、急ピッチでリノベーションを進めた。「初めて見たとき、とにかくかっこいいと思った。ありのまま、いいところを使おうと考えました」と北川さん。建物を残したい、それは酒蔵のオーナー家族の願いでもあった。瓶や樽、木箱など蔵に元々あったものを生かし、19年のゴールデンウィークに観光拠点「三豊鶴」としてオープンした。

「地域食文化継承レストラン」で提供した
荘内半島の鯛のポワレ 室本甘酒みかんバターソース
「お客さんが喜んでくれて、改めて三豊の可能性を感じた」と矢野さん。喜田さんは「漁師さんが『自分がとった魚がこんなにおいしくなるのか』と、プロの料理に感動していました」と話す。
瀬戸内国際芸術祭2019の夏会期に合わせて、ブランド豚の「讃玄豚」など三豊の食材を使った「みとよプレミアムBBQ」、秋会期にはレストランに加えてアートギャラリーとしても運営した。
だが、合同会社三豊鶴の目的は飲食業、ギャラリー業、イベント業を営むことではない。「事業は、地域にないもの、必要とされているものを埋めていく手段です」と北川さん。自分たちの利益のためではなく、地域全体に波及効果があるような活動にしたいという。これまでの食やアート、音楽などのイベントにとらわれず「酒蔵×○○」の掛け算を増やしていく。

酒蔵をリノベーションした「三豊鶴」
2019年はスタートダッシュの年と位置付け、メディアにも積極的に発信した。2020年は事業の軸をしっかりと作る一年にする。
現在、本蔵をゲストハウスに改修中。酒蔵時代に杜氏が寝泊まりしていた場所だ。大きな釜を置いて、酒粕や麹入りのお風呂を楽しんでもらう。湯を棒でかき混ぜて、杜氏を疑似体験。ゲストハウスの名前は「TOUJI」にしようと考えている。2020年春の開業予定。宿泊客に食べて終わり、見て終わりではない体験をしてもらうという。
鎌田 佳子
合同会社三豊鶴
- 住所
- 香川県三豊市詫間町字須田5437
- 設立
- 2019年
- 地図
- URL
- https://www.mitoyotsuru.com
- 確認日
- 2019.12.20
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