
手に持っているのが、11月8日に発売された「天空の七宝 スープの素」
「道の駅とよはま」に設けた「どっかんおんじ」コーナーで
市内外の食品事業者や農家から商品を仕入れ「道の駅とよはま」や、まちステーションSaraで開催している「日曜朝市」で販売。飲食店への卸売業務も行う。観音寺信用金庫が組織する「どっかんおんじ!観音寺を盛り上げ隊」に参加するほか、市が運営する「食品産業ネットワーク」でも活動し、市内の食品事業者の新商品開発や販路拡大を手伝う。「観信さんをはじめ、まちのためならと支援・協力してくれる企業が多い。観音寺の魅力は『人』だと思います」
せとうちイート設立前の昨秋、観信が主催し、盛り上げ隊に参加する事業者が一丸となって「どっかんおんじおいしい物産展」を開催。地域の事業者がアイデアを出し合い、特産品を生かした「天空の七宝鍋」を開発した。無料でふるまったところ、好評だった。家庭でも七宝鍋を味わえるようにと、今春から道の駅とよはまの駅長・白井秀樹さん監修で、観信と市内の老舗メーカー・イヅツみその共同プロジェクトがスタート。11月8日開催の「第2回どっかんおんじおいしい物産展」で、「天空の七宝 スープの素」が発売となった。せとうちイートは販路拡大を担う。
出口さんは兵庫県出身で、徳島文理大学に進学。アルバイトしながら、さぬき市の香川キャンパスに通った。教員志望で卒業後は学習塾などで務めていたが、35歳で一念発起して就農。住み込みで働ける観音寺市のレタス農家にやって来た。その後、市内の果樹園でも務めたが、結婚し二人目の子どもが生まれるときに、環境を整えるため妻の実家がある関東へ引っ越し。カット野菜工場の工場長として、農産物の流通現場で働いた。
その後、再び観音寺市の果樹園で営業販売する機会を得た。「今の自分があるのは、ここで指導いただいた経験が大きい」と話す。野菜・果実の生産と流通を経験し、「一次産業は儲からないといわれるが、それは違う。商品価値をブランディングし、流通の仕組みさえ工夫すれば、利益は上がる」と感じた。そんな時、観音寺市の地域商社の公募に挑戦することになった。
道の駅とよはまの白井さんは「しがらみなく活躍してくれる、こういう人が出てくるのを待っていた。本当に官民一体となった取り組みができていると思う」と、出口さんの活躍に期待する。
出口さんは「今後も観信さんが進める『天空の七宝』商品のシリーズ化に参加させてもらい、参加事業者さんの商品開発のお手伝いをしていきたい」と、意気込む。「地域商社は、地元の産品を都市部に売りこむのが役割だと考えていましたが、観信さんなど地域の企業の取り組みを見て変わりました。まずは、地元でその魅力を知ってもらわないと」。12月10日、観音寺港に海の幸を味わえる「アオハタ鮮魚店」がオープンする予定。出口さんは、そこで観音寺の物産について発信する部署を担当。どっかんおんじの特設コーナーも設置するという。
鎌田 佳子
出口 隆幸|でぐち たかゆき
- 略歴
- 1973年 兵庫県生まれ
1996年 徳島文理大学 卒業
学習塾、レタス農家、果樹園などを経て
2020年 せとうちイート株式会社 設立
せとうちイート株式会社
- 住所
- 香川県観音寺市豊浜町和田浜1271
- 事業内容
- 商品開発、販売支援
- 拠点
- 観音寺市観音寺町甲1183
- 地図
- URL
- https://www.facebook.com/setouchi.eat/
- 確認日
- 2020.12.03
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