2025年の香川・レガシー

香川県教育委員会 教育長 淀谷 圭三郎

column

2025.02.06

2025年が始まり、約1カ月が経過した。今年は4月に国家的プロジェクト、大阪・関西万博が開幕する。同じく4月、香川では6回目の瀬戸芸、「瀬戸内国際芸術祭2025」が始まる。今月末には県立アリーナが開館、7月には「讃岐に咲くは才の花たち」をテーマに、第49回全国高等学校総合文化祭、「かがわ総文祭2025」が開催される。

大規模施設の開館と大きなイベントが重なる年は珍しく、利用し参加する多くの方々に満足いただける運営などが求められるのは勿論だが、それ以上に大切なのは、それによって残される遺産、レガシーを地域社会の中にどのように繋ぎ、未来を信じる営みに結びつけ受け継いでいくのかという点だと思う。そして、レガシーは人なのだと私は思う。瀬戸芸も回を重ねる中で、ボランティア、移住など人の繋がりが重層的になってきていると感じる。このことが地域に化学反応を起こし続けていると感じる。また、平成3年に開催された前回の香川での総文祭では、有名なサヌカイト奏者がこの時初めてサヌカイトに触れたとお聞きしたし、この時の感動を胸に教職に就かれた方もおられるとのことだ。スポーツでも、東四国国体に出場した選手などが、指導者として活躍し続けていることは大きい。

万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を見聞し、瀬戸芸の作品群と島々と海の景観を体感し、県立アリーナでかつてないイベントを観覧し、また、そこで演じることもできる。高校生の「青き春の集大成」に心を寄せて見守ることができる。なんと豊かな年なのだろうかと思う。その豊かさと重みを感じるのは随分と先かもしれないが、これまでの節目で人がレガシーとなって、受け繋いできた未来を信じる営みは尊い。大規模イベントなどが続く2025年の香川。新たなレガシーが生まれ、育ち、地域社会での様々な交流の中で、また再び、未来に生きる希望に満ちた実践の歩みが始まることを心から期待したい。

香川県教育委員会 教育長 淀谷 圭三郎

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香川県教育委員会 教育長 淀谷 圭三郎

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