瀬戸の縁側

工代 祐司

column

2025.02.06

みなさん、こんにちは。今回から月1回「瀬戸の縁側」をお届けすることになりました工代祐司と申します。よろしくお願いいたします。

私は香川県庁、県教育委員会で40有余年働いてきました。退職してこの3月末で2年になります。一つの組織で生きてきた不器用な人間が人生の最終コーナーをどう生き切るか。今、身をもって実証実験しているところです。

公務員人生の後半は、高松港管理事務所勤務を始め、瀬戸内国際芸術祭の立上げ・運営、豊島・直島での産業廃棄物処理事業、里海づくり施策の実施など瀬戸内海や島々に関わる仕事に多く携わってきました。それに伴い、島ごとに異なる暮らしや伝統、集落の佇まい、移住者の自在な活動など島々の魅力に引き込まれていったのです。

先月、イギリスの公営放送BBCが運営するサイト「BBC Travel」に、2025年に訪れるべき場所「The 25 best places to travel in 2025」が掲載され、その2番目に「直島、豊島、瀬戸芸」が紹介されました。近年、瀬戸内海は、多くの旅行者や外国のメディア・旅行誌からも賞賛されています。ただ、ここで重要なのは、瀬戸内海の魅力は島々に人の暮らしや営みがあってこそだということです。

島の高齢化や人口減少の水準は本土と比べて極めて高いです。私はここ数年、島の維持、活性化に尽力されている方や、島に深い思いを寄せる方にお会いしてきました。その活動や姿を拝見するにつけ、私には何ができるか、まず小さくともアクションを起こしてみようと考えるようになりました。そして昨年来、男木島での古民家の再利用に取り組んでいます。

コラムタイトルの「瀬戸の縁側」は、高松港旅客ターミナルビルで理容室を営む北地則之さんの言葉から頂きました。北地さん曰く「港の床屋は、海の人、陸の人が居合わせ、会話が始まり、顔なじみになっていく。縁側みたいな所なんだよ」と。

このコラムが、皆さんにとって、島々の暮らしや営み、そしてその未来について、楽しく率直に語り合える「縁側」のような場になればと願っています。

今年は、6回目の瀬戸芸の開催、県立アリーナの開館、こども図書館船「ほんのもり号」の就航など瀬戸内に関する話題がつきない熱い1年になりそうですね。

工代 祐司

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