“先進性”を大切に、時代のニーズに応え続ける

三和工業株式会社

column

2025.02.20

1975年に操業開始した満濃工場

1975年に操業開始した満濃工場

「会社の歴史を知るほど、新たなことに柔軟に取り組む“先進性”があり、それが今も受け継がれていると感じます」と話す代表取締役社長・村上祐次さん。プラスチックフィルム、アルミ箔といった柔らかい素材を使った包装材「軟包装」を製造する三和工業は、1949年に「関西オブラート」として創業。食品メーカーが販売するキャラメルや飴などを包むオブラートを製造していた。

オブラートの需要が減り始めた60年代、「これからは軟包装の時代が来る」と将来を見据えて商品パッケージ製造に事業転換。65年に三和工業を設立し、パッケージ(包装材)のデザインから印刷、ラミネート、製袋まで一貫してできる体制を確立した。

スーパーチェーンが全国に広がり軟包装の需要が急速に伸びた当時、三和工業は有名メーカーのスナック菓子などのパッケージを主に製造。透明なセロファン、プラスチックフィルムの登場……と使う素材が変化すると同時に、長距離化する物流に合わせて軽量・薄型化、品質を保つ密封性など求められる機能も増えてきた。

世界初の挑戦が、業界のスタンダードに

スナック菓子などを包む袋は、「防湿」「酸素バリア」といった違う機能を持つプラスチックフィルムを何層も貼り合わせてできている。そのスナック菓子のフィルムにアルミニウムをコーティングした「蒸着フィルム」を世界で初めて採用したのが同社だ。「別の商品にアルミ素材が使われていたのを見たある社員が、アルミなら光や酸素、湿気から食品を守るフィルムとして使えるのではとひらめいたのが始まりでした」。それをきっかけにアルミニウムを使った“銀色”のパッケージは業界に広がっていった。

「日本中の人がわが社の袋を1度は持ったことがあるはず。そう考えると仕事に誇りが持てます」。今後は、プラスチックの使用量を減らす薄膜化、食品ロス削減のため長く鮮度を保つフィルム、災害時に役立つ食品用包装などニーズは多様に、複雑になっていく。そんな要望に、丁寧にそして挑戦する心を忘れず応えていく。
2023年から稼働したまんのう町の新工場

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