1975年に操業開始した満濃工場
そのオブラートの需要が減り始めた60年代、「これからは軟包装の時代が来る」と将来を見据えて商品パッケージ製造に事業転換。65年に三和工業を設立し、パッケージ(包装材)のデザインから印刷、ラミネート、製袋まで一貫してできる体制を確立した。小売店のチェーン展開が全国に広がり、軟包装の需要が急速に伸びた当時から、三和工業は有名菓子メーカーのスナック包装材などを主に製造。透明なセロハンをはじめ、様々なプラスチックフィルムが新たな素材として生まれる中、長距離化する物流や小売業態の変化、消費者意識の変革などとともに、包装材に求められる機能も増えてきた。
包装材は、内容物によって防湿性、密封性、遮光性など、異なる機能を持つプラスチックフィルムを何層も貼り合わせてできている。スナック菓子の包装材に、アルミニウムをコーティングした「蒸着フィルム」を世界で初めて採用したのは同社だ。「当時包装材ではない用途で使用されていた蒸着フィルムというものを知ったある社員が、アルミなら光や酸素、湿気から食品を守る包装材として使えるのではとひらめいたのが始まりでした」。それをきっかけにアルミ蒸着を使った”銀色”の包装材は世界中に広がっていった。
また、メーカーから「子どもたちが開けやすくて密封性も高い袋ができないか」と相談された際は、フィルムメーカーと共同で「易開封CPPフィルム」を開発。現在では業界のスタンダードになっている。
「日本中の人が当社の袋を1度は持ったことがあるはず。そう考えると仕事に誇りが持てます」。エコが叫ばれる中、プラスチックの使用量を減らすための薄膜化、リサイクルしやすいよう単一の素材に多様な機能を持たせるモノマテリアル化のほか、食品ロス削減のため長く鮮度を保てるフィルム、防災時に役立つ食品用包装など時代のニーズはますます多様に複雑になっている。そんな要望に丁寧に、そして挑戦する心を忘れず応えていく。
世界初の挑戦が、業界のスタンダードに
「日本中の人がわが社の袋を1度は持ったことがあるはず。そう考えると仕事に誇りが持てます」。今後は、プラスチックの使用量を減らす薄膜化、食品ロス削減のため長く鮮度を保つフィルム、災害時に役立つ食品用包装などニーズは多様に、複雑になっていく。そんな要望に、丁寧にそして挑戦する心を忘れず応えていく。
2023年から稼働したまんのう町の新工場
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