訪日外国人旅行者の四国に関する意向調査
～DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査2022年度版～

日本政策投資銀行

Research

2023.06.15

インバウンド

統計

観光

国際化

地域活性化

調査概要

日本政策投資銀行（DBJ）は、2012年よりアジア・欧米豪12地域の海外旅行経験者を対象としたインターネットによるアンケート調査を実施、2015年より公益財団法人日本交通公社（JTBF）と共同で調査を行っている。四国支店は昨年10月に公表された同調査より、四国訪問希望者など四国に関するデータを抽出し、集計・分析した。

四国を含む地方観光地への訪問意向はすべての国・地域で高い

訪日旅行を希望している人に対し、「日本の地方にある観光地を今後訪れたいか」と尋ねたところ、いずれの国・地域において地方訪問意欲が高いことが分かった。とりわけ中国、台湾、香港など東アジアにおいて高い比率である。今後のインバウンド観光において、ゴールデンルート以外への地方観光に期待が持てる結果であり、香川県においても既にある資源を活かすことにより、高い地方訪問意欲を実際の来訪に繋げていくことが望まれる。

地方観光では自然や歴史に対する期待が高い一方、交通や情報受発信に課題

四国への訪問を希望している人に対し、「日本の地方にある観光地を訪れた際にしたいこと」を尋ねると、「自然観光地」「歴史的な建造物・遺跡」を訪れたいとの回答が多く、香川県をはじめとする四国地方における自然や歴史に対する期待が高いと分かる。

一方、四国を訪れたことがある人に対し、「地方観光地に滞在中に困ったこと」を尋ねると、最も多いのは「公共交通がない、便数が少ない」であり、他に「施設でのコミュニケーション」や「多言語表示」を挙げる声もある。引き続きインバウンド目線に立った受入環境の整備が必要だと言える。

四国が有する資源を活かし 2025年に向け持続可能な観光を

今年3月に閣議決定された新たな観光立国推進基本計画では、2025年に向け、量より質の向上が強調された点が特徴であり、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の3つがキーワードとして示され、四国のインバウンド観光にとっても追い風となる内容である。

今次調査においても、外国人旅行者の地方訪問意欲が高いことが確認され、地方を訪れた際には都市部にはない自然や独自の歴史・文化に触れたいとの意向が現れた。一方で、交通アクセスや情報受発信など、受入環境の整備は引き続き当地における課題であると分かった。小さなことから来訪者目線に立って整備することにより、改善されていくものと思われる。

インバウンドが本格的に再開した今、香川県そして四国の魅力が多くの人に伝わり、行きたいエリアとして選ばれ、地域活性化に繋がる持続可能な好循環が生まれることを願う。

株式会社日本政策投資銀行四国支店企画調査課副調査役藤岡亜希子