最新機器で建設業の効率化を支援

Ms-tec 代表取締役 吉田 守男さん

Interview

2020.11.19

「建設業界に革命が起きつつあります」と話す、株式会社Ms-tec(高松市)の代表取締役・吉田守男さん(55)。ドローンや3Dスキャナを使った測量、測量機の販売、建設コンサルティングを手掛け、建設業の生産性向上を支援している。「測量が済まないと、現場は動きません。手間がかかる測量を効率よくできるようにしたい」

例えば、従来だと3~4人が現場を歩き1カ月ほどかかる測量も、カメラとセンサーを搭載したドローンを使えば1日で済む。人の手では数㍍ごとだが、1㌢間隔で測量可能だ。撮影した画像をつなぎ合わせると、3Dの測量データが完成する。ドローンを飛ばせない場所は、地上から3Dスキャナで測量。データから3Dプリンタで模型を作ることもできる。
ドローンで撮影した画像をつなぎ合わせて3Dのデータにする

ドローンで撮影した画像をつなぎ合わせて3Dのデータにする

東かがわ市出身の吉田さん。家が海の近くにあり、幼いころは台風が来ると波が押し寄せ、怖い思いをしたという。小学生の時に防波堤ができると、それまでが嘘のように風や波を感じなくなった。「土木は生活を守ってくれる」と体感した出来事だった。

測量機を販売する四国測機販売(高松市)に入社し、建設会社への営業を担当した。この業界に入って30年以上。機器は目覚ましい発展を遂げた。測量機の販売だけでなく、ドローンや3Dスキャナを用いた測量のサポート、建設コンサルティングも手掛けたいと考え、取引先でもあった村上組(高松市)とともにMs-tecを立ち上げた。

スタッフは土木の施工管理技士やドローンの操縦や航空法を熟知した人などだ。
測量用の大型ドローン(中央奥)や、 地上から測量できる3Dスキャナ(右端)などの機器が揃う

測量用の大型ドローン(中央奥)や、
地上から測量できる3Dスキャナ(右端)などの機器が揃う

「これからはICTを活用した建設が当たり前になる。コロナ禍でより加速すると思います」。3Dの測量データをクラウドサーバーに保存してどこからでも誰でも見られるようにする、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術を使って現場で建設物の完成図を3Dで見られるようにするなど、実現したいことはまだまだある。「20年前にお客さんと『こんなことができたらいいね』と夢物語のように話していたことが、実現できる時代になりました」

建設現場には多くの人が出入りするため、全員と情報を共有することが難しいという。「ここにこうやって橋ができる、道ができるということを、VRなどを使えばリアルに感じられます」

現場が好きで、今もよく顔を出すという吉田さん。これからは販売業務から一歩踏み込んで、機器の利活用をサポーし、経営にも関わるような提案をしていきたいと考えている。

鎌田 佳子

吉田 守男|よしだ もりお

略歴
1965年 現・東かがわ市生まれ
1984年 現・香川県立志度高校 卒業
1987年 四国測機販売株式会社 入社
2018年 株式会社Ms-tec 設立、代表取締役 就任

株式会社Ms-tec(エムエステック)

住所
香川県高松市東ハゼ町881‐1
代表電話番号
087・802・4045
設立
2018
事業内容
ICTによる計測、ドローンによる空撮・測量、建設コンサルティング、測量全般、GPS機器の販売・取付、コンピュータの入力データ作成
地図
確認日
2020.11.19

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