変化や挑戦いとわずに

全日本空輸(ANA)高松支店長 吉岡 大さん

Interview

2021.05.20

今年4月、ANAセールスの事業を引き継いだ「ANAあきんど」という会社が誕生した。吉岡大さんは、ANAとANAあきんどの高松支店長を兼任。「人口が減少する中で、コロナ禍以前から旅行事業だけでは厳しいと感じていました。ANAのブランド力を生かした新規事業を始めたい」と話す。

ANAあきんどは、従来の航空券を販売する航空セールス事業に加えて、新たに地域創生事業も手掛ける。香川での新生活については「まっさらって楽しい。トライ&エラーで、いろんなことに挑戦できるチャンス。わくわくしています。祖母が観音寺出身なので、縁も感じています」という。

分かってもらうことから始まる

エアーニッポンでの沖縄勤務のころ

エアーニッポンでの沖縄勤務のころ

学生時代の就職活動は、航空業界に絞っていた。1992年、エアーニッポンに入社。合併により、2012年からはANAの所属になった。

長く営業畑にいるが、エアーニッポンでの沖縄勤務で初めて営業に携わった。当時、エアーニッポンには沖縄本島と離島を結ぶ石垣島線と宮古島線があり、宮古島線を担当。地元航空会社のシェアが高く、そこに切り込んでいくのは難しかったという。旅行会社に毎日通い、担当者と膝をつき合わせて話をした。地域に溶け込むため、地元観光協会の青年部に所属し、会合やイベントにも積極的に参加した。

ANA入社後に赴任したソウルも、思い出深い場所だ。ソウル支店にいる約30人のスタッフのうち、日本人は支店長とマネジャーだった吉岡さんだけ。日本語、英語、韓国語を交えてコミュニケーションを図った。ソウルでは、羽田ーパリ線を利用し、ソウル(金浦空港)から羽田を経由して、パリに韓国のお客さんをたくさん送り出した。支店の韓国人スタッフとは、今でも付き合いがある。

「営業は、自分を分かってもらうことから始まります。話を聞き、お客様に寄り添い、誠実に対応し、信頼関係を築く。それしかないと思います」

「新入社員」のつもりで

ANAソウル支店のメンバーと

ANAソウル支店のメンバーと

愛読書は本田直之さん著『50歳からのゼロ・リセット』で、折に触れ読み返している。特に好きなフレーズが「50歳は新入社員になったくらいのつもりでいい」「50歳からは『教える』のではなく『教わる』」というもの。「変化できなければ淘汰されてしまう。考え方が凝り固まらないよう気を付けています」

コロナ禍で旅行・観光業は苦しい状況にあるが、吉岡さんは前を向く。「四国4県を巻き込んだ海外チャーター便など、新規事業が始められたら。ANAあきんどでは、グループのプラットフォームを生かしたふるさと納税とクラウドファンディングに力を入れていく。自治体と協力して、地元の産品を全国に発信したり、挑戦する人を応援したりしたい」

鎌田 佳子

吉岡 大|よしおか ひろし

略歴
1968年 神奈川県横浜市生まれ
1992年 明治学院大学経済学部経済学科 卒業
     エアーニッポン株式会社 入社
1999年 全日本空輸株式会社 福岡支店 販売計画部 出向
2002年 エアーニッポン 営業部
2003年 全日本空輸 営業推進本部 出向
2007年 エアーニッポン 福岡客室乗務室客室業務課マネジャー
2012年 全日本空輸 入社
ソウル支店 総務営業マネジャー
2015年 ANAセールス株式会社 
東京本店第二販売部国際企画販売課 出向
2018年 ANAテレマート株式会社 企画推進部総務チーム 出向
2021年 全日本空輸株式会社
ANAあきんど株式会社 高松支店長

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