
①件数39件は1971年の集計開始以来5番目の低水準
②負債総額は前年比37億2,300万円増。過去10年で4番目
③原因別は販売不振が最多。不況型倒産は33件で構成比84.6%
④産業別では製造業が最多。サービス業他が続く
2021年の香川県企業倒産状況(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は件数39件で、負債総額104億3,400万円。倒産件数39件は1971年の集計開始以来5番目。負債総額は大型倒産もあり、前年比37億2,300万円の増だった。
販売不振が29件で最多

製造業が11件で最多
前年との比較で、製造業が7件、建設業が4件、サービス業他が3件、不動産業が2件増加した。一方、卸売業が7件、小売業が3件、農・林・漁・鉱業が2件、運輸業、情報通信業が各1件減少した。金融・保険業は前年同数(前年も0)だった。
香川県で2021年に新型コロナウイルス関連の倒産は23件(前年6件)発生し、前期比17件増、全倒産件数39件に対し構成比は59.0%となった。上半期で11件、下半期で12件と年間通して発生した。産業別でみると、サービス業他が9件、製造業5件、小売業3件、建設業、卸売業各2件、不動産業、運輸業各1件だった。今後も倒産急増の可能性は低いと見られるが、少ない倒産に占める新型コロナウイルス関連倒産の構成比は引き続き高率で推移していく可能性が高い。
過剰債務を抱えた企業へ運転資金需要が円滑に調達出来ないと、倒産に直結するため、政府や金融機関の支援策の動向が注目される。経済が回復基調となることを期待するが、近時の変異株蔓延で先行きは不透明となっており、コロナ禍の状況に加え、円安、原油高、資材高騰、人件費上昇などの懸念材料が次々と浮上している。コスト上昇分の価格転嫁が進まない場合、「息切れ倒産」に追い込まれる企業の増加も危惧され、香川県内の企業倒産は資金需要を伴う年度末にかけて、底打ちから緩やかな増勢に転じる可能性が強まってきた。
東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 有馬 知樹
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