企業向けの教育サービス始動《vol.1》

香川オリーブガイナーズ

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2024.06.20

講義中

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プロ野球独立リーグ「四国アイランドリーグplus」に所属する球団「香川オリーブガイナーズ」は昨年9月、企業向けの教育サービスを開講した。この春には、県内企業に教育サービスを提供し、収益化する事業を本格化。プロスポーツと地元企業のマッチングによるシナジー効果に、期待が寄せられている。

社長の福山敦士さんは、慶応高校野球部出身で、2年生の時には春の選抜大会に投手で出場した。慶応大学卒業後、IT大手サイバーエージェントを経て独立し、人材会社、メディア事業などを立ち上げ、4度のM&Aを実行。卓越した経営手腕を買われ、昨年6月に同球団の社長に迎えられた。

福山さんは、「世の中を良くするためには、子どもが能動的に学ぶのではなく、受動的に学べる仕組みが重要」と考え、その手段として、「ビジネスを義務教育にする」を目標のの一つに掲げている。自身の経験を体系化して伝えるビジネス書の出版も、その取り組みの一環という。

球団の経営再建にあたり、経営を親会社が支える旧来型のプロスポーツの在り方でなく、中長期を見据え、よりサステナブルな、儲かるビジネスモデルの構築が必要と考えた。「ガイナーズは知名度があり、地域から愛され、応援したいと思われている。その価値は数字には表れづらいが、確かに存在する資産であり、ビジネスにつなげられる」。

球団を中心に、インターネット広告や飲食サービスといった、さまざまなビジネスを展開するスキームを構想。「ガイナーズ大学校」もその一つだ。

具体的には、企業向けに生成AIや最新ウェブマーケティング、新規事業開発などをテーマに研修を提供し、必要に応じてコンサルティングも実施。「香川県は、歴史あるすばらしい会社が多いが、その分ITに弱いという側面もある。従業員一人一人の生産性を上げれば、人材不足もカバーできる」。助成金などの活用もサポートし、企業の負担を抑えた事業モデルを展開している。
(次号に続く)

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