新時代の「ものづくり」を支える
人材を育てる大学校

四国職業能力開発大学校

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2025.11.18

全国に10校ある職業能力開発大学校は、高度な技能・技術を兼ね備えた実践指導者の育成を目的とする厚生労働省所管の省庁大学校。そのうちの一つが「四国職業能力開発大学校」で1972年に創立された。最先端の機器をはじめとする充実した設備力や、各分野のエキスパートによるきめ細かい指導力を活かした実践的な学びが特長だ。地域の企業や第一線で活躍する技術者たちを対象としたセミナーや設備の開放のほか、共同研究などを通した「産学連携」も進んでいる。

学科は機械系・電気電子系・電子情報系・居住系の4分野に分かれ、高校卒業者等を対象に基礎から体系的に学ぶ「専門課程」4コース2年、より高度な技術と企画開発力を磨く「応用課程」3コース2年の最長4年間で、新時代を開拓する「ものづくり人材」の育成を目指す。

専門2年次には、地域の課題解決や競技大会などさまざまなテーマに個人やグループで取り組む「総合制作実習」がある。2年間の集大成となる位置付けの実習で、学生たちは自主的な課題解決力を発揮しながらものづくりの大きな流れをつかんでいく。

専門2年次で修了・就職する選択肢もあるが、約9割の学生が応用課程に進学。4年間の学びの集大成として応用2年次に取り組む「開発課題」は、複数科からなるチームでリアルな企業課題の解決方法を模索する1年がかりのグループワークだ。その過程では、より実際のものづくりに近いプロセスを経て応用力・発見力・分析力などを総合的に深めるとともに、チームワーク、コミュニケーション、プレゼンテーションといった社会で求められるスキルも身に付く。総合制作実習・開発課題ともに、完成した研究成果物の展示・発表会を毎年2月に開催している。

徹底した「実践」で、ものづくりの現場でリーダーシップを発揮できる人材を育てる同校。基礎から丁寧に積み重ね、知識と自信に裏打ちされた「型破りな技術者」の誕生に大きな期待が膨らむ。

能開大を選んだ理由を教えてください。

田中 高校卒業後は歯科系の学校に進みたいと思っていましたが、先生から「選択肢を広げてみては?」というアドバイスで能開大のオープンキャンパスを見学。高校も情報系だったのですが、さすが大学校の設備はすごいなと。ここなら高校で学んだことをステップアップできると思い選びました。

多田 高校は機械科でしたが、もっと幅広い知識や技術を身に付けたいと電気系を選択。自分のスキルが増えるほど、将来の選択肢も増えると思って決めました。
塩田 進路に迷っていた時、「ものづくり」が好きだったこともあり先生から能開大を教えてもらいました。設備が整っている上に授業料が安く、親にかける負担が少なくて済むと思ったのもポイントです。

どんなことを学びましたか?

田中 プログラミングやモデリングを通してやりたいことの幅が広がりました。専門課程の総合制作では4人のグループでETロボコンに挑戦。それぞれが得意分野を活かした役割分担で完成を目指すので、自分が遅れたらみんなに迷惑をかけます。決められた期日までにやり遂げるという責任感や、チームワークの大切さなどを学びました。中四国大会で優勝して全国大会に行けたのは嬉しい思い出です。

多田 まず、専門課程の時に電気工事士2種・1種を取得しました。グループワークでは標準課題で太陽光発電のパワーコンディショナに挑戦しました。個々に完成させたパーツを最後に合わせて初めて動く仕組みだったのですが、自分の視点だけだと見落としが出てきます。お互いにチェックすることで大きなミスを回避できることに気付けました。基板製作を担当しましたが、「はんだ付け」が悪いと接触が悪く動作しないなど、経験を通して知ることも多かったですね。

塩田 機械を使って図面通りに金属やブロックを加工するには、ミリ単位の正確さが要求されます。普通科出身なので最初は不安がありましたが、図面の読み方など基礎から丁寧に指導してもらえました。特にグループワークではコミュニケーションを密に取って、遅れているところはアシストに回るなどお互いに協力しないと作業全体に遅れが生じます。問題が生じた時の解決策や回避策も実践から学びました。

能開大を選んでよかったと感じたことは?

田中 先生との距離感が近いのがこの学校の特長。課題を進めていく中でも気軽に質問でき、知見を積み上げることができました。将来の選択肢も広がったと思います。

多田 資格取得の支援が手厚いところです。電気工事士の実技試験に向けて、放課後まで先生が残って付き合ってくれたのはありがたかったです。資格があれば社会に出てから断然有利だし、本来なら会社に入って学ぶことを在学中に経験できたのは良かったです。

塩田 機械を実際に使いながら学べることです。自分で加工をしたから形状の良し悪しの判断ができる。体得するまで経験を積めることが強みです。

四国職業能力開発大学校

住所
香川県丸亀市郡家町3202
代表電話番号
0877-24-6255(学務課)
設置科
【専門課程】生産機械技術科、電気エネルギー制御科、電子情報技術科、住居環境科
【応用課程】生産機械システム技術科、生産電気システム技術科、生産電子情報システム技術科
地図
URL
https://www3.jeed.go.jp/kagawa/college/
確認日
2025.11.20

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