新しい時代の「ものづくり」を
学べる大学校

四国職業能力開発大学校

Interview

2024.11.27

全国10カ所の職業能力開発大学校の一つで1972年創立。最先端の機器をはじめとする充実した設備力や各分野のエキスパートによるきめ細かい指導力を活かした、実践的な学びが特長だ。地域の企業や第一線で活躍する技術者たちを対象としたセミナーや設備の開放のほか、共同研究などを通した「産学連携」も進んでいる。

学科は機械系・電気電子系・電子情報系・居住系の4分野に分かれ、高校卒業者等を対象に基礎から体系的に学ぶ「専門課程」4コース2年、より高度な技術と企画開発力を磨く「応用課程」3コース2年の最長4年間で、新時代を開拓する「ものづくり人材」の育成を目指す。

専門2年次には、地域の課題解決や競技大会などさまざまなテーマに個人やグループで取り組む「総合制作実習」がある。2年間の集大成となる位置付けの実習で、学生たちは自主的な課題解決力を発揮しながらものづくりの大きな流れをつかんでいく。

専門2年次で修了・就職する選択肢もあるが、約9割の学生が応用課程に進学。4年間の学びの集大成として応用2年次に取り組む「開発課題」は、複数科からなるチームでリアルな企業課題の解決方法を模索する1年がかりのグループワークだ。その過程では、より実際のものづくりに近いプロセスを経て応用力・発見力・分析力などを総合的に深めるとともに、チームワーク、コミュニケーション、プレゼンテーションといった社会で求められるスキルも身に付く。総合制作実習・開発課題ともに、完成した研究成果物の展示・発表会を毎年2月に開催している。

徹底した「実践」で、ものづくりの現場でリーダーシップを発揮できる人材を育てる同校。基礎から丁寧に積み重ね、知識と自信に裏打ちされた発想力を兼ね備えて、新たな時代を切り拓く「型破りな技術者」がここから羽ばたいていくかもしれない。

四国能開大で学んだことは?

応用課程 生産機械システム技術科2年 坂田継人さん(高松第一高校出身)

応用課程 生産機械システム技術科2年
坂田継人さん(高松第一高校出身)

坂田 父が技術者で、ものづくりへのあこがれから同じ道を選びました。座学重視の大学よりも、早いうちから手を動かして実践的な経験を積みたいと思っていたところ、高校から紹介されて職業能力開発大学校の存在を知りました。高校は普通科でしたが、技術系の高校出身者の方が少ないくらいで、ギャップは感じませんでした。

機械系で金属加工にかかわる設計・加工・組立や測定、生産ラインの管理など、実際の工場で行われること全般を学び、8割近くは実習という感じ。指導の先生方も私たちが「ゼロからのスタート」という前提だから、基礎からきちんと教えてくれて心強かったです。

石丸 私も大学進学にあたり迷っていました。そこへ父が「こういう選択肢もある」と教えてくれて、社会で需要の高そうな電気分野を専門的に学べることに興味を引かれたのが入校のきっかけです。電気系の授業で面白かったのは、設計から動かすところまで半年くらいかけてグループで取り組んだ制御盤の設計製作実習ですね。
応用課程 生産電気システム技術科2年 石丸滉太さん(津田高校出身)

応用課程 生産電気システム技術科2年
石丸滉太さん(津田高校出身)

坂田 高校卒業時点ではものづくりにどんな工程があり、どんなことをするのか分からなかったけど、本校で学ぶうちに各工程の違いや役割が明確になり、「これをやりたい」が見えてくるんですよね。あまり専門的だと視野を狭めるのではないかと思っていたら、むしろ逆。自分にできることが増えて、選択肢が広がりました。

石丸 入学当初は電気のイメージなんて「電線を触るの?」くらいだったけど、実際はかなり広範囲に及ぶことがわかりました。幅広く学べる本校のカリキュラムは、向き不向きを知ることができていいと思います。私はプログラミングが苦手だとわかったことで将来の進路が絞れて、応用1年次の夏休みにインターンシップを通じて太陽光・電気系インフラの業界研究を深め、無事に第一希望の企業から内定をいただけました。

坂田 私も応用1年次のインターンシップを自分で応募して、早期選考で12月にはもう採用が決まりました。機械分野の設計職です。技術を磨くのはもちろん、他部署とのやりとりが必要でしょうから、しっかり連携してかかわる分野を積極的に広げたいと思っています。

四国能開大で学んでよかったことは?

坂田 とにかく環境がよかった! 設備面では、設計ソフトは一人一台、加工機も授業中に待ち時間なく触ることができて、最新機器や情報にどんどん触れられます。自分のやっていることと常に向き合えるからこそ、学びも深まりました。

石丸 資格試験対策も丁寧で、在校中に電気工事士1・2種を取得しました。就職してから働きながら取得するのは大変だし、資格を持って社会に出ることができる。就活でもPRポイントになって、実際に役立っていると感じます。それから1クラス20人くらいの少人数制も、人間関係を深める上ですごくいいと思いました。最初はみんな不安だけど、みんなで話し合ううちに協力体制が自然と生まれるんです。

坂田 工業系高校出身のクラスメイトも、授業では同じように苦労していましたからね。大変だったといえば、課題形式の授業で、期日を守りミスなく仕上げていくスケジュール管理に苦労したことです。実際のものづくりにも通じる学びでした。

石丸 うまくいかないことに苦しみながら「やり遂げる」のが大切ですよね。大変さの中にも楽しさや達成感があり、何よりスキルが着実に身に付くから、興味関心と学びたい気持ちがあれば、普通科卒だろうと関係なく思い切って飛び込んでみてほしいと思います。

四国職業能力開発大学校

住所
香川県丸亀市郡家町3202
代表電話番号
0877-24-6255(学務課)
設置科
【専門課程】生産機械技術科、電気エネルギー制御科、電子情報技術科、住居環境科
【応用課程】生産機械システム技術科、生産電気システム技術科、生産電子情報システム技術科

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