
ダムなどの施設管理、水資源の開発などを行う公的機関である水資源機構は、早明浦ダムから補給される水を池田ダムから取水して香川県のほぼ全域に導水する香川用水事業にも携わる。安全な水が24時間365日届く“当たり前”を高い管理技術で支えている。例えば、農業・水道・工業用水それぞれに必要な量を必要な時に供給するための的確な施設の点検・管理、遠隔での監視制御など。さらに、気象状況を予測しながら洪水時に備えて下流域に被害が出ないよう防災面でも大切な役割をに担う。
近年は、水を安定的に供給する「利水」以外にも取り組むべき課題がある。その一つが施設の老朽化対策だ。2020年~24年度にかけて「香川用水施設緊急対策事業」を実施。漏水が多発していた「高瀬支線」の水路の内側に鋼管を入れるなど、施設の耐久性を高めた。また、大規模地震発生に備えた耐震工事として、取水工など主要部分を中心にコンクリートの増強、橋台補強、周囲の斜面のくい打ちなども行った。
ほかにも、ゲリラ豪雨といった気候変動に対応するための「早明浦ダム再生事業」も進む。大切な社会資本を長く使うための将来を見据えた取り組みと、日々の水の安定供給を守る技術者たちの努力が、私たちの生活を支えている。
早明浦ダムや香川用水といった施設を 取り巻く環境はどう変わりましたか。

香川用水管理所所長
河原田一州さん(今治西高校出身)
つまり、当初は「水の安定供給」が大きな目的でした。ただ最近は、どの社会資本にも共通している課題ですが老朽化への対策、耐震化、気候変動への対応といった新しい課題への取り組みも求められるようになりました。
具体的にはどんな課題がありますか。

耐震化については、構造物に振動を与えてどんな影響があるかをコンピュータ上でシミュレーションしますが、その際にこれまでよりも強い振動を与えて分析し、大規模地震にも耐えられるような補強工事を行っています。
気候変動に対する取り組みは。

加えて時代とともに生産する作物も変わり、水を使う時期が変化しているケースも。そういった社会生活の変化に合わせて水管理の計画見直しも進めています。
また、新しい取り組みではありませんが地域の皆さんにご協力いただいている「取水制限」は実は非常に大きい。渇水が予測される時には、事前に取水制限を行うことで、夏を乗り切ることができたということが何度もあります。「飲水思源(いんすいしげん)」という言葉のように水を飲むときにはその源に想いをはせて感謝する、節水を心掛けるというソフト面の取り組みもハード面の対策と同様に大切だと思っています。
社会資本

水資源機構
- 住所
- 香川県高松市天神前10-1
- 代表電話番号
- 087-835-6600
- 地図
- URL
- https://www.water.go.jp/yoshino/kagawa/index.html
- 確認日
- 2023.11.27
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