アイデア次第で突破口は拓ける!
限界にとらわれないチャレンジ精神

プロテック

Cha✕Cha

2024.11.27

「Innovation for the Future」を掲げる同社のルーツは、1980年代、品質・コスト面で革新的な真空装置部品のプレス加工技術を確立したこと。そこから当時の最先端分野である半導体業界に縁が生まれ、同社を支える主軸事業となった。さらに15年ほど前から、積極的な新分野開拓にも乗り出している。

難易度が高く扱いにくいといわれるステンレスなども高精度で加工できる、半導体部品製造で培った技術力が同社の強みだ。半導体と共通する性質の素材が多く同社のノウハウを活かせる航空・宇宙関連分野に可能性を見出し、加工難易度の高さから競争相手が少ないこともあって、2006年からロケット関連部品製造、12年からは航空機のエンジン部品製造と少しずつニーズを拡大。コロナ禍前には航空業界の売上比率が約3割、半導体のニーズとほぼ対等というところまで成長し、香川県が推進する航空・ロボット分野参入のモデルケースにもなった。

現在約2200台のジェットエンジン部品の製造を手掛け、納期遅れや不良品はゼロ。「困りごとがあって門を叩く顧客にNOとは言いたくない」という方針から、毎年売上の約2割を設備投資に費やし、高い設備力を活かして難しいニーズにも積極的に応える。その過程で高めた技術力と信頼からまた新しいニーズが生まれる、という好循環のビジネスモデルで業界の最先端に挑戦し続けている。

御社の強みは。

代表取締役 木村義春さん

代表取締役
木村義春さん

木村 当社が業界初のプレス加工に成功した真空装置用の部品は、コストの高い切削加工やプレスの外注がうまくいかず、「自分たちで何とかするしかない」と中古のプレス機を購入して試行錯誤しながら作ったものでした。製品の切断面・破断面のなめらかな美しさが金型の精度の証です。以来、難易度の高い要望にも挑戦し続ける姿勢と、納期遅れ・不良品ゼロの品質がお客さまの信頼につながり、半導体から航空・宇宙分野への事業拡大の原動力となりました。どんなに難しく見えても、加工のアイデア次第で突破口は見つかるもの。自分の限界を決めてしまわず、挑戦し続けることが大切です。

冨岡 航空機の大型エンジン部品を手掛ける体制を整えているのは、四国でも数少ないといえますね。特に四国は「島」なので他地域より納期がさらに早まり、輸送費がかかるリスクもあります。だからこそ航空機のエンジンメーカーなどは「近隣エリアで部品をつくる」のが鉄則ですが、それを度外視してでも当社に依頼してくれるのはありがたいことです。航空機業界も、より静音性が高く燃費がよくパワフルに……とたゆまぬ改良が続いていて、大型ジェット機材でもミクロン単位の精度が求められる世界です。こうしたものづくりができるのも、半導体分野で磨いたノウハウがあればこそだと思います。

今後、力を入れていきたいことは。

取締役 冨岡宥太さん(ラ・サール高校出身)

取締役
冨岡宥太さん(ラ・サール高校出身)

木村 毎年の設備投資で機械化は着実に進んでいますが、各機械のポテンシャルを完璧に引き出せているとはまだまだ言えません。改善の余地があるとともに、現場の技術者たちの創意工夫が光るところでもありますね。特に近年はDX・IoT・AIがトレンドで、加工を行い測定、測定結果を判断して修正、というこれまで人が行っていたことを、一台の機械で「自動」かつ「無人」で行えます。さらに、今後は三次元加工データを活用することで、生産スピードの大幅な向上を計画しています。

冨岡 ハードルは高いけれど、実現すればますます高品質かつ効率的な製造が安定してできるようになると思います。30年前の業界は属人的な職人技の世界でしたが、今は加工機械をボタン操作するオペレーションが主流です。「最新のIT技術を駆使しつつ、職人技で差別化を図る」という新しい考え方で、ものづくりのイメージそのものを変えていきたいと思っています。

新市場開拓戦略

既存の製品や技術を活かして新たな市場を開拓し、企業の成長につなげる戦略。今ある技術や商品を改良して新たなターゲットに向けて販売する場合もある。進めるにあたっては、他社と差別化できる自社の強みを把握する、売り出すべきターゲット、市場を想定する、ターゲットに対して価値をどのように伝えるか考えることが必要となる。ほかに、既存の商品を既存の顧客に展開する市場浸透、新製品開発、多角化という戦略がある。

株式会社プロテック

住所
香川県高松市中間町1139-8
代表電話番号
087-886-1154
確認日
2024.11.25

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