写真左 志度工場長 林 耕一さん(高松工芸高校出身)
写真右 生産第二課 ヘッド班 香川 竜輝さん(農業経営高校出身)
大型マシニングセンタや県内で初めて導入した2パレット式6軸溶接ロボットなど、最新鋭の設備を積極的に活用し、ロボット化も進んでいるが、溶接の仕上がりを左右するのはやはり「人の手と目」だ。ロボットが適切に動くためには、ズレなどが生じないよう人間が細かいさじ加減で調整していく準備が欠かせない。新しい形状の製品をつくる際も、まず人の手でつくってみてから自動化を考える。「やり込み」「つくり込み」はまだまだロボットにはできない領域だ。
精度の高いものづくりを続けるためには、熟練の技を受け継ぐ若手の育成が鍵となる。基本を大事にする教育方針で、昔ながらの「やって見せる」「見て覚える」だけでなく座学にも注力。社会人研修や図面の読み方などの基礎から徹底して身に付け、班単位で成長度を見極めながら、きめ細かく若手の成長をサポートする。根気強さや「溶接が好き」という気持ちに比例して上達も早く、現在の班長クラスはほぼ20~30代。順調に若返りを図っている今の流れを、さらに次世代につなげたいと意気込んでいる。
現在担当している業務は。
林 溶接の仕事は、まず外から見えない製品内部の溶接から始まって、やがて見栄えの美しさが重要な外側へ。最終的にはゼロから完成させるところまで担当できるレベルを目指していきます。図面を読んで理解できる知識と、ミリ単位の正確さが求められる仕事です。最終段階まで到達するには、根気強い・目がいいなどの特性も影響しますが、私は何より「好き」が一番大切と思っています。溶接は一度鉄を溶かすから、熱によって変形する。どのくらい変形するかの読みが的中すると、うれしいものですよ。実に奥が深い世界だと思います。
今後、力を入れていきたいことは。
林 私は4年間自衛隊に所属して下士官まで務めた後、父の鉄工所を手伝っていましたが、オイルショックで会社が解散。先輩の紹介で当社に入社した24歳の頃は、まだ現場が6人くらいでした。今は20~30代の若くて負けず嫌いな班長がどんどん現場を引っ張っていて、会社としての若返りがうまくいっているのではないでしょうか。さらに次の世代を育てるために、これからも技術を継承してくれる若手を育てていきたいと思っています。
◆キーワード
技術伝承
錦工業株式会社
- 住所
- 香川県さぬき市末1236番地24(志度末工業団地内)
- 代表電話番号
- 087-894-9400
- 設立
- 1969年12月1日
- 社員数
- 60名(2023年6月現在)
- 事業内容
- 大型クレーン用重要構造部品 / 製缶 / 溶接 / 機械加工ー式 / 一般機械器具製造
- 地図
- URL
- https://nishiki-ind.com/
- 確認日
- 2024.07.18
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